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史上2人目の「42-42」を達成した大谷翔平のMVP獲得に論争が起きている(写真・アフロ)
史上2人目の「42-42」を達成した大谷翔平のMVP獲得に論争が起きている(写真・アフロ)

過去にDHの受賞例のない大谷翔平の“MVP論争”に米敏腕記者が「守備を欠くことはそれほど問題か?」と緊急提言

 過去のDHのMVP候補としてはデビッド・オルティスがいて2003年から2007年の間、5年連続投票で上位5位に入り、2度上位3位に入ったが「DHのMVP受賞に反対の流れは彼でも止まらなかった」と指摘。フランク・トーマス(1991年、2000年)、ポール・モリター(1993年)、エドガー・マルティネス(1995年)、ビクター・マルティネス(2014年)、ヨルダン・アルバレス(2022年)らも投票で上位3位に入ったが受賞には至らなかった。
 その上で「現実的に大谷に代わるMVPに誰がいるのか」と問いかけた。
 候補としてチームメイトの遊撃手ベッツがいたが、死球で45試合を欠場して脱落。次にダイヤモンドバックスの二塁手のケテル・マルテが候補となったが、彼も8月19日から負傷者リストに入ることでMVPレースから外れた。同記者は「大谷への最も新たな脅威はエリートクラスの遊撃手と評価される一方で30-30にも近づいているメッツの遊撃手のリンドアだ」と断言。

 「リンドアとマルテは明らかに大谷よりも守備面で貢献している。リンドアは彼自身初のナ・リーグのゴールドグラブの候補となっている。大谷は3試合欠場しているが彼は欠場がない」としながらも、「168ポイントも上回る大谷のOPSで十分に補えないだろうか。大谷の盗塁を試みる数は今シーズンを通して著しく増加している。彼は最初の3カ月で合わせて18度、7月に14度、8月にここまで12度。彼のモチベーションは数字よりもチームを助けたいとの思いから生まれているように見られる。8月の盗塁のすべてが試合状況で理にかなったものだった」と、その守備での貢献も、大谷の攻撃面の貢献を上回ることができないとの見解を示した。同記者は記事を最後にこうまとめた。
「シーズンは残り1カ月。MVPレースは変化するかもしれない。もしかしたらマルテが復帰してナ・リーグ西地区の優勝争いでダイヤモンドバックスをけん引してドジャースを逆転するかもしれない。もしかしたらリンドアが、ブレーブスを逆転してナ・リーグで3つ目のプレーオフの座へメッツを押し上げるかもしれない。たとえ投票者の規定でその可能性が認められているとしてもDHの選手がMVPを勝ち取ることは、ある人にとっては受け入れ難いことかもしれない。しかしDHが勝ち取る唯一の方法は、守備を超越するくらいに攻撃面で他を引き離すことだ。40-40の段階で大谷はそれに近いところにいる。45-45、もしくは50-50で、彼はその話題をほぼ終わらせることができるだろう」
 大谷が史上初の記録を成し遂げたとき、MVP論争に終止符が打たれるのかもしれない。

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