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井上尚弥と12月に対戦予定のサム・グッドマンが豪語した(写真:AAP/アフロ)
井上尚弥と12月に対戦予定のサム・グッドマンが豪語した(写真:AAP/アフロ)

「井上尚弥にしては冴えずに物足りない。変な終わり方だ」12月に対戦予定のグッドマンがドヘニー戦を語りモンスターとの契約交渉を明かす…「勝つ方法はある」

 

「ちょっとしたチャンス」とはジャッジの2人がドヘニーを支持した3、4ラウンドだ。後ろ重心で頭を下げて、上体を後方にそらす超守備的な姿勢で、いっこうに攻撃の意思を示さないドヘニーにたまりかねた井上はガードを上げてあえて打たせて誘う場面を作った。そこが「試合を厄介にした」というシーンになるわけだが、グッドマンは衝撃的なダウンシーンを演出できなかったモンスターをこう酷評した。
「一方的だが冴えない。物足りない。ちょっと変な終わり方だったな」
 そして話は12月に予定されている井上との対戦に向けて切り替わった。
「勝つ方法はある。オレのやりかたでプレッシャーをかければ勝てるチャンスはある」
 そう豪語してさらにこう続けた。
「最高の自分で挑む。頭を使ってスマートに戦わねばならない。彼はとても速く、カウンターもうまく、パワーもある。だからスマートにやらなければならない」
 頭脳的なボクシングを展開することを強調した。
 グッドマンは19勝無敗(8KO)のオーソドックスファイター。昨年3月にはドヘニーと対戦し、途中フラッシュダウンを奪い3-0判定勝利。6月には元WBA世界同級暫定王者で、井上とスパーリング経験もあるライス・アリーム(米国)に3-0判定勝利している。パンチ力はなく、どちらかと言えばジャブを軸に組み立てて距離を保ちながら総合力で勝ってきたボクサーで、井上も「正統派のイメージがある」と口にしている。5月6日に東京ドームで行われた井上とルイス・ネリ(メキシコ)戦の試合後にリングに上がり、「次に戦おう」とエールを交換したが、この9月3日の対戦には同意せずに“敵前逃亡”。7月に地元豪州で無敗でWBC世界同級8位のチャイノイ・ウォラウト(タイ)と前哨戦を行った。3-0で判定勝利したが、ダウンシーンはなく、手数ではタイ人が上で、左手骨折のアクシデントまで負った。
 グッドマンはすでに井上戦の勝利イメージを描いている。
「勝つために実行できることや戦略は確実にある」
 ただその「確実にある」という戦略を具体的に話することはなかった。
 まだ正式契約は、結ばれていないそうだが、水面下で交渉はスタートしていることをグッドマンが明かした。
「彼らのチームがコンタクトしてきたのは“オレと戦いたい”ということなんだろう。準備万全。ぜひ実現したい。やってやるよ」
 一度は“敵前逃亡”していて、いまさら何を言っているのか、とも思うが、2団体の指名挑戦者で、彼が現状のプロボクシングのランキング制度の中にあって、スーパーバンタム級の“最強挑戦者”の一人であることは確かだ。

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