なぜ阪神は横浜DeNAエース東の「32試合連続QS神話」をストップできたのか…連続バスターの岡田マジックと“初球打ち”駆け引き
3-2で迎えた6回にはなんと連続バスターの奇策に打って出た。先頭の梅野が、また配球を絞った“初球打ち”で出塁。続く木浪がバントを2球失敗して2-2と追い込まれると、岡田監督は、サインをバスターに切り替えた。木浪がボールをしっかりと上から叩いてライト前へ。無死一、二塁となると、岡田監督は、それこそ「100%バント」の場面で、守備から途中出場の島田にも2球目にバスターのサインを出した。島田は、逆方向に打球を叩きつけ、バントシフトでセカンドのカバーに動こうとしていた京田の逆をついて三遊間を破った。
そして満塁となって近本vs東の8月の月間MVP対決である。
近本は2球目の甘く入ってきたスライダーを見逃さない。強烈な打球は、前進守備を取っていた横浜DeNAの一、二塁間を抜けていった。
三浦監督が自らマウンドまで行き交代を告げる。今季12勝2敗で防御率1.74の東がノックアウトである。代わった中川も中野の投手強襲のゴロをグラブを伸ばして捕ろうとして弾き、さらに1失点。これも東の自責点となり、昨年から、32試合連続で6回、自責点3以内のクオリティースタートを続けてきたハマのエースの神話をストップさせた。
岡田監督が言う。
「ここまできたら相手が何勝しているピッチャーとか、そんなの関係ない。(東も今季)3回投げて、みんなも分かっている。大事なゲームというのも分かっている。ここまでヒットが続くとは思わなかったけど、なんとか後ろにつなぐという意識が良かったんじゃないか」
3点差としたが強力な横浜DeNA打線を考えると、まだセーフティーリードではなかった。その反撃ムードを断ち切ったのが森下のビッグプレーだった。
7回からマウンドを任された3番手の石井がオースティン、牧に連打を浴びて無死二、三塁とされたが、宮崎のほぼライトの定位置へ飛んだ打球を森下がホームへワンバウンドでバックホーム。梅野が「あそこまで良いボールが来ると思っていない中での素晴らしい送球」と感動するほどのストライク送球でタッチアップからヘッドスライディングを敢行したオースティンを刺したのだ。