なぜド軍“女房”は山本由伸の8奪三振の圧巻復帰登板を「これまでより優れていた」と評価したのか…故障者続出で危機的状況だった先発陣に救世主現る!
右肩腱板損傷で戦列を離れていたドジャースの山本由伸(26)が10日(日本時間11日)、本拠地でのカブス戦で6月15日以来の復帰マウンドに立ち、4回59球を投げて8奪三振4安打1失点の圧巻投球を見せた。「3番・DH」で先発出場した鈴木誠也(30)との対戦も2打席連続三振に抑えた。ポストシーズンの戦いを前に先発陣に故障者が続出している危機的状況の中での山本の復帰を地元メディアは「ようやく先発の夢を描けるようになった」と評価。捕手のオースティン・バーンズ(34)は「これまでより優れているように見えた」と絶賛した。なお試合はカブスが6―3で勝利し、今永昇太(31)が7回3失点の好投を見せて13勝目をマークした。
鈴木誠也を2打席連続三振
ヨシノブ・ヤマモトの復帰登板は鮮烈の三振ショーで始まった。カブスの先頭のイアン・ハップへの初球は、いきなり97マイル(約156.1キロ)をマーク。得意のカーブで一つ目の三振を奪うとダンスビー・スワンソンは宝刀スプリットで連続三振。そして鈴木との注目対決では、フルカウントからアウトローに98マイル(157.7キロ)のストレートをズバッ。鈴木は手が出なかった。
6月15日のロイヤルズ戦で肩に違和感を訴えて故障者リスト入りして以来のマウンド。「期間が空いての登板でいつも通りとはいかなかったが、なるべく落ち着いた気持ちで試合に入れるように取り組んだ」という。
球数が60球までと制限されていたこともあって山本は明らかに飛ばしていた。2回にも4番のコディ・ベリンジャーを現地実況が「悪魔のスプリット」と表現した変化球で4者連続三振。だが、ここから2本のヒットを許して二死一、二塁から続くピーター・クロー・アームストロングの一塁正面のゴロをフレディ・フリーマンが弾き(記録はヒット)1点を失ったが、後続を許さずに3回にも再び1番からの3人を三者連続三振。鈴木との2度目の対戦のウイニングショットは“悪魔のスプリット“だった。4回を8奪三振4安打1失点にまとめて59球で復帰マウンドを降りた山本をデーブ・ロバーツ監督はベンチの中央で出迎えて抱擁、その背中をポンポンと2度叩いた。
MLB公式サイトによるとロバーツ監督は「とても素晴らしかった。これから先の先発ごとに(我々は)彼を必要とするだろう。速球の制球はプレートの両サイドに決まっていた。低めを捉えスプリットは落ちた。変化球でストライクを奪えていた。それがとても効果的で本当に良かった」と絶賛。
女房役を務めた捕手のバーンズは「彼の速球、カーブボール、スプリットとすべてが良かった。とても驚いた。復帰登板で、彼がどのような投球を見せるか分からなかったが、これまでよりも優れているように見えた」と称えた。
カブスの先発の今永から5回に山本を援護する本塁打を放っている三塁手のマックス・マンシーもこう語っている。
「ヨシの復帰を見られてよかった。彼の投球はとてもシャープに見えた。球速もあって、しっかりとコースに決めていたので素晴らしかった」
もちろん山本も手応えを感じていた。
「今年の中でもトップといっていい感覚で投げられた」
地元局スポーツネットLAのインタビューにそう答えた。
「変化球がいい感覚で投げられたので、それが三振につながった。こういういい感覚をしっかりと自分のものにできるようにしたい」
そして3か月の欠場期間に進化した理由を「思ったよりいい復帰登板だった。リハビリ期間の練習でもどんどん感覚がよくなっていた。リハビリ期間の練習が今日につながった」と自己分析した。