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今永昇太は3回のピンチに大谷翔平を併殺打に打ち取る(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
今永昇太は3回のピンチに大谷翔平を併殺打に打ち取る(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

カブス今永昇太の大谷翔平“キラー”の裏にダルビッシュ有からの“金言”「素晴らしい選手と野球をやっていると自分の知らない力が出る」

 なぜ今永は大谷に強いのか。
 カブスの地元紙「シカゴサンタイムズ」は「ドジャースの上位打線の3人で今永に対してダメージをもたらすものはほぼいなかった。7回を投げて今永は大谷、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンに安打すら与えなかった。今永は元カブスでパドレスの投手ダルビッシュ有から日本代表チームで一緒にプレーした時にもらったアドバイスを思い返していた」とのエピソードを伝えている。
 今永が囲み取材でダルビッシュからの“金言”があったことを明かしていたのだ。
「ダルビッシュさんに『素晴らしい選手と野球をやっていると自分の知らない力が出る瞬間がある』と言われたことがある。まさに山本選手、大谷選手のドジャース打線を抑えるために自分の知らない力が出たと思う」
 “投げる哲学者”と呼ばれる今永らしい考え方だろう。
実際、今永は「試合前に調子は良くなかった」という。
「今日の山本投手のピッチングを見て、このままじゃチームが凄く劣勢に追い込まれると思った。3失点したが、彼の投球が僕を引っ張ってくれた」
 右肩腱板損傷で故障者リスト入りしていた山本は約3か月ぶりとなる復帰登板で圧巻の投球を見せていた。1回から三者連続三振。鈴木誠也はアウトローに決まった98マイル(157.7キロ)のストレートに手が出ず、第2打席も鋭く落ちるスプリットに空振りの三振。山本は4回で59球を投げて8奪三振4安打1失点の内容だった。
 今永は投げあった山本の投球に刺激を受けたというのである。
 今永はチームメイトの鈴木の援護で13勝目をもらった。2点を追う8回無死一、二塁から、鈴木がドジャースの5番手、エバン・フィリッピスからセンター前へタイムリー。一人が生還、さらに一塁走者を刺そうとしたセンターから三塁への送球がそれる間に同点の走者まで生還して3-3として今永の負けを消した。さらにここから一気に3点を奪ってゲームをひっくり返す猛攻につなげた。
 4日(日本時間5日)のパイレーツ戦で、7回“ノーノー”の好投を見せていた今永は、これで4連勝。
「自分につく勝利を気にせず、チームにつく勝利を気にする。そういうメンタルの持ち方がうまくいっている。勝ったときに反省することが一番の幸せなので、今日の反省を次に生かして、怪我なくシーズンを過ごしたい」
 こういう心構えでいる限りメジャー1年目の今永の快進撃はまだまだ続きそうである。

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