「名誉な記録は史上最高の選手に破られればいい」大谷翔平に23年ぶりに更新されそうなド軍の年間最多本塁打記録「49本」保持者のグリーン氏が心境明かす
今季の大谷の47本塁打の中で特にグリーン氏の目を引いたのは、マルチ(複数)本塁打が2試合しかなかったことだ。大谷は5月5日のブレーブス戦、6月16日のロイヤルズ戦(いずれも本拠地)で、それぞれ1試合2本塁打を放っているが、固め打ちは、それだけで、後の43本塁打は、すべて1試合1本塁打だった。
本塁打王を争うアーチストに「固め打ちがないことは珍しい」という。
グリーン氏はその49本を打った2001年には、9月6、7、8日のロッキーズ、カージナルズとの3試合で4本の固め打ちをしている。
2002年にはメジャーのタイ記録となる1試合4本塁打を含む6打数6安打を記録。二塁打も1本あり1試合19塁打はメジャーの新記録だった。
つまり大谷は、固め打ちで本塁打数を増やしたわけではなく、年間を通じて大きな調子の浮き沈みがないままコンスタントに本塁打を打ち続けたことになる。
また「35―35」をマークしたことのあるグリーン氏は、大谷が挑む「50―50」の記録の偉大さを誰よりも知る一人だ。
「大谷は相手チームにプレッシャーをかける。(相手チームは)この選手は50本塁打を打つから、塁に出そう(歩かせよう)とする。でも、彼は盗塁ができる。(塁に出すと)二塁、三塁へいくから彼と勝負しなければならなくなるんだ」
それが大谷の「47―48」がチームにもたらしている効果。
グリーン氏は言う。
「両方の武器が、もう一方の武器を引き上げている」
大谷は今日13日(日本時間14日)から敵地アトランタでのブレーブスとの4連戦を皮切りに、マイアミでマーリンズと3連戦を戦い、20日(日本時間21日)からホームのドジャースタジアムに帰ってきてロッキーズと3連戦という10連戦に突入する。ファンの間では歴史的瞬間がいつになるかの“Xデー”が話題に上っている。デーブ・ロバーツ監督は「今の彼の調子ではおそらく(20日まで記録達成を引き延ばすのは)無理だろう。マイアミのファンが喜ぶかもしれない」と17日(日本時間18日)からのマーリンズとの3連戦で達成すると予想している。