3-3で迎えた9回二死二、三塁から中野がサヨナラ打
何が阪神と広島の明暗を分けたのか…岡田監督の嫌がることのできなかった“新井カープ”が犯したミス…トラは首位巨人に2ゲーム差で広島は泥沼6連敗
お立ち台で中野はこう続けた。
「今日は去年優勝を決めた日でもあるので、なんとしても負けられないという試合だったので勝ててよかった」
昨年9月14日の甲子園での巨人戦で阪神は18年ぶりのリーグ優勝を果たして岡田監督が宙に舞った。連覇を狙った今年は大混戦。だがこれは岡田監督が開幕前から想定していた展開である。
ナイターゲームで巨人がヤクルトに連敗したことで、ついに首位巨人とのゲーム差は「2」に縮まった。今日15日の甲子園でのヤクルト戦に阪神が勝ち、東京ドームで巨人が中日に敗れればゲーム差が「1」となり、消滅していた自力Vが復活する。9月に入って阪神は8勝3敗で巨人は6勝5敗。勢いは明らかに虎にある。
残り12試合。ひとつも負けられないゲームが続くが、22、23日の甲子園での最後のTG戦が、優勝の行方を決する天王山となるのかもしれない。
それでも岡田監督は「ちょっとふがいない。あそここはバッテリーミス」と、6回二死三塁から、小園への初球に不用意な外角高めのストレートから入って三遊間にタイムリーを打たれた才木―梅野のバッテリーに苦言を呈した。今季口を酸っぱくして注意してきた「初球の入りのミス」をまだ修正できていないバッテリーに“お灸”をすえた。それもここからの12試合がそういう記録に残らないミスが命取りになることを熟知している智将だからこその“怒り”である。
一方で「反省しないといけない点はいっぱいあるけど、そういうのをなくしていければもうちょっと楽にいける」との手応えもある。
牙を磨きあげた阪神が勝負の9月に「最強」となってきた。