野球への関心が薄い“あの国”まで…世界6大陸のメディアが大谷翔平「51ー51」の歴史的偉業を報じる
中米の野球大国として知られ、昨年3月のWBC準決勝では日本と死闘を繰り広げたメキシコの『EL UNIVERSAL』も、大谷の大偉業を伝えている。
「アトランタでの4連戦でちょっとした干ばつに見舞われた大谷翔平は、マイアミでの3連戦の最後を歴史に残る、世界最高峰の舞踏会へと様変わりさせた。メジャーリーグ史上で6人目となる『40-40』クラブへの入会を、最速となるシーズン126試合目で達成してからわずか数週間。それ以降も増え続けた数字は誰も成し遂げていない『50-50』クラブを誕生させた。もちろん物語はまだまだ続いていく」
季節が真逆の南半球のオセアニアも、大谷の一挙手一投足にスポットライトをあてた。豪州の『ABC News』は「『50-50』とは何ですか」と見出しを打った記事のなかで、野球ファン以外にも大谷が達成した記録の価値を伝えている。
「野球ファンでなくても、ホームランの意味を知っているでしょう。ゆえに最初の『50』を説明する必要はありませんが、もうひとつの『50』である盗塁は、成功させればゲームチェンジャーになる可能性がある分だけリスクも高く、スピードに加えてほぼ完璧なスタートを切る必要があります。簡潔に言えば、過去1世紀半で2万3000人以上の選手がMLBでプレーしてきましたが、大谷翔平が達成した『50-50』に近づいた選手は皆無でした。この偉業達成とともに、多くの専門家がベーブ・ルースやバリー・ボンズらのレジェンドを凌駕する、史上最高の選手として大谷を位置づけています」
エジプトの『Middle East Times』も大谷の快挙を報じている。
「大谷翔平の51本塁打は、2001年にショーン・グリーンがマークした49本のフランチャイズ記録を更新した。また日本人スラッガーはドジャース史上で初めて1試合で10打点を記録しただけでなく、1901年以降のメジャーリーグの歴史で、1試合で5安打以上、複数本塁打、複数盗塁を同時に達成した初めての選手になった」
もちろん韓国メディアも大谷の大記録達成を報じた。
大谷は48号を放った時点でメジャー通算219本塁打として、レンジャーズなどで16年間プレーした韓国野球界のレジェンド、秋信守(42、現SSGランダース)を追い抜いて、アジア出身選手で歴代1位に浮上していた。
その際に従来の最多本塁打記録を「知らなかった」と言及した大谷に対して、19日の記事で「秋信守のプライドを傷つけた」と批判気味に報じた『Sports Seoul』は、一転して「MLBの歴史を一挙に塗り替えた」と大谷を称賛した。
「大谷による、大谷のための舞台だった。彼はメジャーリーグの140年の歴史のなかで、誰よりもまばゆい輝きを放つ主人公になった。三塁寸前でタッチアウトになった第3打席の長打がもしスリーベースになっていたら、前人未到の大記録にサイクルヒット達成を添えていた。マーリンズに大勝したドジャースは12年連続でポストシーズン進出を決めたが、大谷にとってはメジャー7年目で初めて、待ち焦がれてきたポストシーズンの舞台でプレーする機会をつかみ取った」
大谷が連続盗塁を成功させたマーリンズ戦の開始早々から、ファイナルカウントダウンに入ったと熱狂していた米国メディアを含めて、ヨーロッパ、南米、オセアニア、アフリカ、そして日本以外のアジアを駆け巡った大谷関連のニュース。世界の全6大陸で共有された跡が大谷が到達させた記録の価値を物語っていた。