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まさかのトリプルプレーで試合終了。次打者の大谷はリプレー検証中に打席に入っていた(写真・AP/アフロ)
まさかのトリプルプレーで試合終了。次打者の大谷はリプレー検証中に打席に入っていた(写真・AP/アフロ)

「狂気じみたプレー」「破滅的な試合終了」大谷翔平を前に“三重殺”を米メディアが批判…ロバーツ監督は強攻策の采配ミスを否定も打ったロハスは「チームの期待を裏切った」と反省

ドジャースが24日(日本時間25日)の本拠地でのパドレス戦で9回にトリプルプレーで試合終了というまさかの結末で痛い黒星を喫した。3点を追う9回に1点を返し、なお無死一、二塁で、次打者は「53-55」の大谷翔平(30)だったが、デーブ・ロバーツ監督(52)がミゲル・ロハス(35)へのサインをバントから強攻策に切り替えたことが失敗して三塁ゴロが「5C-4-3」と渡るトリプルプレーとなり2-4で敗れた。パドレスはプレーオフ進出を決定。ドジャースとパドレスのゲーム差は「2」に縮まった。

 「大谷に打席が回ってこない可能性は1%以下だった」

 衝撃的なゲームセットだった。
 1-4で迎えた9回にドジャースは、今季34セーブをあげている元阪神の“守護神”ロベルト・スアレスから3連打で1点を返し、さらに無死一、二塁の一発が出れば、逆転サヨナラの押せ押せムードを作った。ロバーツ監督は、9番打者のロハスにバントのサインを出した。次打者は、この日、初回の第1打席にライトフェンスをワンバウンドで超えるエンタイトルツーベースを放って先制ホームも踏んでいる「53―56」の大谷である。
 ロハスは、バントの構えをしたが、インコース低めへの97マイル(約156キロ)のストレートを見送った。判定はストライク。ロサンゼルスタイムズ紙によるとロハスが、「あの打席で早めにバントを決めるチャンスがあったと感じている。しかし私は、そこでその仕事を果たすことができなかった」と大反省したシーンだ。
 だが、ここでロバーツ監督はサインを強攻策に切り替えた。
 同メディアによると、ロバーツ監督は、パドレスの守備隊形が、マチャドが前を守り、ジェーク・クロネンワースが二塁ベースのカバーに動き、遊撃手のザンダー・ボガーツが、三塁側へと動く、バントシフトに変わったのを見て、ヒッティングに切り替えたという。
 ロハスは、その2球目のシュートを強打した。打球は三塁の正面。バントを警戒してベースよりも、前を守っていたマニー・マチャドが、その打球を片手でさばき、少し戻る形で三塁ベースを踏み、まずワンナウト。そして二塁へ送球してツーアウト、二塁から一塁へボールが転送されトリプルプレーが成立してしまったのだ。
 ネクストバッターズサークルの大谷は呆然と立ち尽くした。この勝利でプレーオフ進出の決まるパドレスは大騒ぎだが大谷はベンチへ戻らない。ロバーツ監督が二塁のフォースプレーのリプレー検証を求めると打席へと向かった。だが、判定は覆らなかった。まさかの形でのゲームセットである。
 ESPNによると、この30年では、トリプルプレーでの試合終了は3度目だが、トリプルプレーの試合終了によるプレーオフ進出決定は史上初の珍事だった。
 米メディアはこの結末を批判的に報じた。
 MLB公式サイトは「ロサンゼルスが狂気じみたプレーで不都合な試合終了」との見出しを取り「単調な8イニングの後、9回にようやくシーズンを通して見せてきたようなチームになり始めた。3時間近く待たせた満員の観客を興奮に包み込んだ。多くは、2試合連続のサヨナラ勝ちを完結させる運命に期待した。だが大失敗が起きた。走者を2人置き、ノーアウトで大谷翔平が次打者として待ち構える中、破滅的な試合終了のトリプルプレーとなるゴロをロハスが放った」と伝えた。
 ロサンゼルスタイムズ紙も「大谷翔平が9回裏に打席に入らない方法は1つ(トリプルプレー)しかなかった。驚くべきことにドジャースは、MVP候補を次打者に立たせたまま、可能性がごくわずかで、決して起こりそうにない最悪のケースの悲惨な状況を引き起こす失態を犯した」とバッサリ切り捨てた。
 ナ・リーグ西地区の優勝争いをしているパドレスとの重要な3連戦の初戦を落として2ゲーム差に迫られた。連勝すれば26日(同27日)に優勝が決まり、まだ優位ではあるが、3連敗するとパドレスにマジック「3」が点灯する。地元メディアが「失態」と書くのも無理はないだろう。

 

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