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左から井上尚弥、大橋秀行会長、リカルド・ロペス氏(写真・山口裕朗)
左から井上尚弥、大橋秀行会長、リカルド・ロペス氏(写真・山口裕朗)

あわや大惨事?!“伝説の生涯無敗世界王者”リカルド・ロペス氏を招聘した全ミニマム級カードの画期的興行で新王者が3人誕生も4時間を超えるロングランで…

  

石井武志がOPBF東洋太平洋ミニマム級の新王者となった(写真・山口裕朗)

ボクシングの“聖地”後楽園で、史上最も遅い終了時間となったことは間違いないが、重岡兄弟が、世界王座から陥落し、注目を集めることの少ない最軽量階級に、ロペス氏の招聘を実現することをフックに光を当てた今回のイベントは、とても意義があり画期的なチャレンジだった。
 未来の世界王者候補となる3人のミニマム級の新王者も誕生した。
 大会MVPを選ぶならプロ4戦目で日本王座を獲得した松本だろう。
日大出身で全日本選手権で優勝するなどの実績を持つアマエリートの松本は、1ラウンドからサウスポーの利点を生かした左ストレートのスピードとパワーで圧倒した。だが、森は2ラウンドからガードを固めて、小刻みなアクションを入れながら動いてインファイトを仕掛け、そのサウスポーの距離を潰しにきた。ロープを背負わせてボディを乱打した。
 だが、松本は「1(ラウンド)は左が入ったが、2(ラウンド)は来ると思っていた。前に来るので押し返そうと思ったが、それ以上に(前へ)来たので引いてみようと足を使いました」と5ラウンドから冷静にステップワークで対抗した。
 セコンドの田中トレーナーは「距離をとれ」「動くところを狙え」と指示。松本は左アッパーをねじこみながら動きを止め、森の決死とも言える戦法にも屈しなかった。そして7ラウンド。前へつっこんでくる森にカウンターの右フックがヒット。バランスを崩した森が両手をつきダウン。さらに松本はラッシュを仕掛けて「いろんな角度で左を出す練習をしていた」という左ストレートが何発か顔面をとらえるとレフェリーがストップを宣告した。
「日本タイトルって特別なものと思っていたのでうれしい」
 アマで全日本は制したが、五輪階級ではないためベルトはなかったという。
「(王座決定戦の)チャンスが回ってきたからには取らないと次いつくるかわからない。1回でつかもうと思っていた」
 ロペス氏の目の前でベルトを獲得できたことを「この階級じゃなくても世界的に特別な偉大な方。その人の前で試合ができたのは特別なこと」と感激していた。
ロペス氏は「打たさずに倒すボクシング」で高いKO率を誇り、最軽量級の概念を変えたボクサー。松本も「日々KO決着できるように練習している。ミニマムですが、KOできるボクサーになりたい」と言い「もっと上の景色を見れるように頑張りたい」と理想を掲げた。

 

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