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10月13日のサンチェス戦に向けて来日したカシメロ(左)が井上尚弥を挑発した。右は兄でトレーナーのジェイソン・カシメロ氏
10月13日のサンチェス戦に向けて来日したカシメロ(左)が井上尚弥を挑発した。右は兄でトレーナーのジェイソン・カシメロ氏

「なぜ戦わないのか疑問?井上尚弥は私が年を取るのを待っているのか」来日した“問題児”カシメロが過激挑発…弟の拓真と対戦の「Bプラン」まで披露

 プロボクシングの元3階級制覇王者でWBO世界スーパーバンタム級6位、WBC同7位のジョンリエル・カシメロ(35、フィリピン)が26日、フィリピンから来日し都内のジムで取材に応じた。来月13日に横浜武道館でWBO世界バンタム級8位のサウル・サンチェス(27、米国)と約1年ぶりにスーパーバンタム級10回戦を行うカシメロは対戦を熱望している同級の4団体統一王者、井上尚弥(31、大橋)を挑発。井上がフェザー級に転級し対戦が実現しなければ、バンタム級に下げて弟のWBA世界バンタム級王者の拓真(28、大橋)をターゲットとするBプランまで明かした。どこまでも“井上一族”をつけ狙う構えだ。

「グッドマン戦はつまらない。5ラウンドまでに井上が勝つ」

 

 “問題児”カシメロは、約1年ぶりのリングとなる“モンスター前哨戦”の17日も前に来日した。
「うきうきしている。トレーニングは万全に積んだ。夏から秋へと変わる(日本の気候に)体を慣らすために早く来たんだ」
 成田空港から都内のジムに直行。「長旅で疲れている」と言いながらも、プロモーション用のYouTube収録を行った後に取材に応じた。
 約25分間。笑いを交えながら真摯に話をした中身の大半が、対戦を熱望している“モンスター”井上尚弥についてだった。
「ずっと待たされ続けている。なかなかオファーが来ない。奴に勝つのが目標。バッチリ準備すれば勝てる」
 対戦オファーがないことへの苛立ちをぶつけた。
 井上の次戦は12月で相手はWBO&IBF同級1位のサム・グッドマン(豪州)。実は、6月にグッドマン側からカシメロに対戦オファーがあった。だが、グッドマンが最終的に選んだのはカシメロではなく無敗でWBC世界同級8位のチャイノイ・ウォラウト(タイ)で7月に判定勝利している。
「グッドマンからオファーがあったが実現できなかった」と、その経緯を明かしたカシメロは、12月の井上ーグッドマン戦を一刀両断にした。
「井上はグッドマンに勝つだろう。奴はパワーがないし、世界的にも有名ではない。ちょっとつまらないカードだ。5ラウンド以内には終わるんじゃないか」
 井上の5ラウンドまでのKO勝利を予告した。
 そして、現在、35歳のカシメロは、こうも続けた。
「なんでオレとやらないのか疑問だ。オレが年をとるのを待っているんじゃないか。そうなれば有利だからな」
 カシメロはWBO世界バンタム級王者時代の4年前の4月に一度は米国ラスベガスでの対戦が正式発表されていたものの新型コロナの感染拡大の影響で延期となった。
 この4年の間に井上は、バンタム級、スーパーバンタム級の2階級4団体統一の偉業を成し遂げた。カシメロがWBOの世界バンタム級のベルトを持っていれば、対戦は実現していたが、ポール・バトラー(英国)との指名試合で英国のローカルコミッションが禁止しているサウナでの水抜き減量を行っていることが発覚して、試合は中止となり王座は剥奪された。井上は、正規王者となったバトラーを倒して4つのベルトをまとめた。
 カシメロは「井上がゴール(2階級4団体統一)を果たして、そこまで成長したのは嬉しい」と、称えた上で、4年前との違いをこう評した。
「スーパーバンタム級に上がりパワーは増した。ただスピードは落ちた。オレのパワーは、それより上。オレは(階級を上げても)スピードもキープしている」
 そう豪語した。

 

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