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元WBA&IBF王者のアフマダリエフがグッドマン戦を優先されて井上尚弥に怒りをぶつけた(写真・ロイター/アフロ、山口裕朗)
元WBA&IBF王者のアフマダリエフがグッドマン戦を優先されて井上尚弥に怒りをぶつけた(写真・ロイター/アフロ、山口裕朗)

「井上尚弥が義務を果たさないのは恥。私と対戦しないならベルトを返上しろ!」12月の対戦を見送られたWBA指名挑戦者アフマダリエフが怒りの挑発

 アフマダリエフは13戦12勝(9KO)1敗の戦績を持つ強打のサウスポー。リオ五輪では準決勝で元WBO世界フェザー級王者で金メダルを獲得したロベイシ・ラミレス(キューバ)に敗れたが、銅メダルを獲得。2020年にプロ8戦目でWBA&IBF世界同級王者のダニエル・ローマン(米国)を2-1の判定で2本のベルトを奪取した。その後、母国でIBFの暫定王者だった岩佐亮佑を5回TKOで沈めている。回転力のある攻撃力が武器で、評価は高いが、昨年4月に米国でマーロン・タパレス(フィリピン)に1-2の僅差判定で敗れ2つのベルトをタパレスに奪われた。
 そのタパレスと井上が昨年12月に対戦して10回KO勝利で史上2人目の2階級4団体制覇を成し遂げた。アフマダリエフがタパレスに負けていなければ、昨年12月に対戦は実現していたのだ。
 ただアフマダリエフはその判定に納得していない。
「あるジャッジは私に10ラウンドを与えた。私はディフェンディング・チャンピオンだった。私はペースを握っていた。より大きなショットを打ち込んだ。私の方がアグレッシブだった。もう少し早くプレッシャーをかけていれば彼を倒せただろう。あの試合は私の勝ちだった。あの夜、ジャッジは間違いを犯したのだ。だから試合直後にWBAが再戦を命じたんだ。そしてタパレスのチームは、その再戦を避けた。井上との試合はすでに決まっていた。私のチームは勝者が私と対戦することになっていたから、それでOKだと言った。でもそれは実現しなかった」
 アフマダリエフの説明によるとWBAはタパレスとの再戦を命じたが、井上との統一戦が決まっていたため、その勝者とアフマダリエフが対戦するとの条件で統一戦が優先されたという。その中でアフマダリエフは昨年12月にケビン・ゴンサレス(メキシコ)とのWBA指名挑戦者決定戦を戦い8回TKO勝利している。
 だが、井上陣営は、アフマダリエフではなく、元IBF同級王者のTJ・ドヘニー(アイルランド)を次期挑戦者に選び対戦交渉に入った。WBAは6月13日に突然、9月25日までにアフマダリエフとの指名試合を行うことを井上陣営に指令し7月14日までに交渉を締結するように命じてきた。井上はスーパー王者で通常の指名期限に縛られないため、陣営は困惑。ベルトの返上さえ視野に入れていたが、その後のWBAとの話し合いで指名試合が回避されることが決まり、井上は4つのベルトを持ったまま9月3日のドヘニー戦に臨み、7回TKO勝利した。
 井上戦に備え4か月も米国で合宿トレーニングを重ねていたアフマダリエフは、「ちょっとオーバートレーニング気味だったから休養を取ることにした」とウズベキスタンに帰国。現在は母国の五輪チームと一緒に練習しているという。

「私はWBAの決定を待っている。私は12月に戦うつもりだし、タイトルをかけて戦えると信じている。彼が正しいことをすることを願っている。でももしそうでなければ、彼はベルトを剥奪されるだろうし、私はとにかく(剥奪で空位となった)タイトルをかけて戦うつもりだ」
 アフマダリエフは、ずいぶん勝手で先走った発言を続けた。大橋会長は「私も尚弥ももう4つのベルトへのこだわりはない。状況次第で返上しなければならないのであれば、それも仕方ない」との考え方を示している。

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