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大谷がロッキーズ戦で54号&57盗塁をマークし打率は.309まで急上昇(写真・AP/アフロ)
大谷がロッキーズ戦で54号&57盗塁をマークし打率は.309まで急上昇(写真・AP/アフロ)

「ショウヘイが照準に定めたものはどんなものでも到達できる」ロバーツ監督が太鼓判を押した大谷の3冠王の可能性は?…MLB公式サイトは異例シミュレーション

 ドジャースの大谷翔平(30)が27日(日本時間28日)に敵地デンバーで行われたロッキーズ戦に「1番・DH」で出場して、イチローが持つ日本人選手のシーズン最多記録を抜く57盗塁と、特大の54号を放ち「54―57」とした。注目は5打数4安打の固め打ちで打率を.309まで急上昇させたこと。.314でトップにいるパドレスのルイス・アラエス(27)に5厘差に迫り、ほぼ確定している本塁打、打点に続きメジャーでは12年ぶり12人目の3冠王を視界にとらえた。MLB公式サイトは3冠王獲得の可能性のシミュレーションを掲載した。

 54号&57盗塁をマーク

 地区優勝を決めた大谷が「残り試合を気を緩めることなく駆け抜けたい」と語った言葉に嘘はなかった。移動日無しでロスからデンバーに戦いの場を移した大谷は、2回一死一、二塁にライト前へタイムリーを放つと、続くベッツの打席の2球目に盗塁を決め、イチローの持つ56個の日本人選手のシーズン最多盗塁記録を更新した。さらに4回の第3打席にもライト前ヒットをマークし、6回無死二、三塁で迎えた第4打席にデンバーのファンを驚愕させた。
 フルカウントからアンソニー・モリーナが真ん中高めに投じた“変化のしなかった”チェンジアップを一閃。54号がライトスタンドの2階席へと消えていった。標高1600mの高地にあるクアーズフィールドは、打球が飛ぶことで知られるバッター有利のスタジアムだが、飛距離は特大の436フィート(約133メートル)。敵地のファンが「MVPコール」を送るほどだった。
 ESPNによると、ロッキーズのバド・ブラック監督は「大谷はとてもハードにスイングする力強い選手だからとても強烈な打球を放つ。彼は本当に信じられないほど素晴らしい才能を持っている」と語り、脱帽の様子だったという。
 「54―57」で「55-55」に王手をかけただけではない。
 8回の第5打席には左中間を破る二塁打を放ち、この日、5打数4安打で、.305で迎えた打率を.309まで上昇させたのだ。54本塁打は2位と15本差、130打点も2位と19点差で、ほぼ2冠は確定だが、打率部門でも首位のアラエスを5厘差で捉えた。瞬間的には3厘差に迫っていたが、3試合ヒットのなかったアラエスも必死だ。ダイヤモンドバックス戦で先発したダルビッシュ有を援護する3安打をマークして.314まで数字を伸ばした。ただ、この5試合の成績を見ると大谷が.667でアラエスが.222。調子と勢いは断然大谷だ。
 MLB公式サイトによると、デーブ・ロバーツ監督は、残り2試合に大谷を出場させることを明かした上で「ショウヘイが今夜ショーを見せてくれた。良い方向へ進んで200安打まで迫っている。彼が照準を定めているものには、どんなものでも到達できると思う」と、3冠王獲得への期待を口にした。
「彼は信じられないほど素晴らしいシーズンを送ってきた。確かな数字を手にするまであと、1ヤードのライン(アメリカン・フットボールのタッチダウン間際)まで来ている。それが三冠王、60-60、60盗塁になるかもしれないが、可能性が何であれ、そこに到達するまでできることは何でもさせたい」
 全面バックアップを約束した。
 MLB公式サイトは「3冠王はジャッジと大谷の手の届くところにあるか?」とのタイトルを取った記事を掲載し両者が首位打者を獲得するパターンをシミュレーションした。この記事掲載の時点では、58本塁打、144打点で2冠を独走しているヤンキースのアーロン・ジャッジ(32)が打率.325で.332で首位に立つロイヤルズのボビー・ウィットJr.(24)を7厘差で追っていたからだ。
 同サイトは「レギュラーシーズン最後の週末を迎える中で12年ぶとなる3冠王の可能性は残されている。いや、可能性は低い。しかし、ジャッジも大谷も前人未到の偉業を達成するために常に困難を乗り越えてきた。では、本当に追い抜けるのか」と書き出した。

 

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