「難しかった。眠れなかった。私は完璧な人間じゃない」大谷翔平の猛追を受けてわずか4厘差で3冠王を阻止したパ軍アラエスが心情を吐露
「これは私にとって特別なことだ。私は野球をするためにここにいる。私はチームの勝利に貢献するためにここにいる。勝つために、小さなことをするためにここにいるし、そして、やったと思う」
大谷を振り切ったアラエスはそう安堵した表情で語ったという。
まだ打率.304のブレーブスのマルセル・オズーナがポストシーズン進出のかかったメッツとのダブルヘッダーで9打数9安打を打てば逆転される可能性があったため、この時点では首位打者は確定していなかった。オズーナはその第1試合で5打数0安打に終わり、3年連続3度目の首位打者獲得は、ほぼ確実となった。
ベネズエラ出身のアラエスは2019年にツインズでデビューし、2022年に打率.316で首位打者を獲得している。この時も、5厘差で猛追してきたヤンキースのアーロン・ジャッジの3冠を阻止した。
マーリンズに移籍した昨季は打率.354で今度はア・リーグの首位打者を獲得。そして今年5月2日に1対4の電撃トレードでパドレスに移籍した。移籍初戦で4安打したが、左手親指の怪我で、選ばれていたオールスターは辞退、その後、左膝の痛みにも悩まされたが、アラエスの獲得前に2つの借金があったパドレスは、76勝51敗と大きく勝ち超してプレーオフ進出を決めた。パドレスでの首位打者は、米殿堂入りしている“レジェンド”グウィン以来、27年ぶりの快挙でMLB公式サイトによると、マイク・シルト監督もアラエスのタイトル獲得を心から祝福したという。
「なんて素晴らしい打者、なんて素晴らしい男なんだろう。彼はチームで大きな役割を果たしてきた。彼を獲得したことが彼がこのチームにとってどのような意味を持つのかを、この記録が証明していると思う」
アラエス効果でパドレスのチーム打率.263は、ドジャースより上のリーグトップタイで、三振率もリーグで最も低くなったという。
「彼は私たちが求めているプロトタイプ。追い込まれてもフィールドにボールを打ち返す。それはチームのアイデンティティとして定着したものだ」
パドレスは、プレーオフの第4シード。第1シードのドジャースは、パドレスと、最終戦で決まる第5シードのメッツか、ブレーブスか、ダイヤモンドバックスの勝者と、10月5日(日本時間6日)のディビジョンシリーズで対戦する。もしかすれば、アラエスと大谷の直接対決が実現するかもしれない。