なぜリバプールの遠藤航は“放出要員”になってしまったのか…「スロット監督がクラブに売却を要請」と英報道
当時の香川は一時代を築いた独ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムントから、出場機会を求めてトルコのベシクタシュへ期限付き移籍していた。最終的には同年夏に、ドルトムントとの契約を1年残した状態で退団している。
クロップ前監督は遠藤のデュエルにおける強さ、ボール奪取能力の高さを高く評価。昨夏に独ブンデスリーガ1部のシュツットガルトから獲得した際には周囲を驚かせたが、後半戦のプレーを介して選択が間違っていなかったと証明した。
しかし、クロップ前監督の勇退を受けて、母国の名門フェイエノールトの指揮官から転身したスロット監督も、選手を判断する基準の最上位に年齢をすえているのか。8月の開幕から逆風にさらされてきた遠藤には、それでも焦りは見られなかった。
公式戦の出場がプレミアリーグの1試合、それも先述したように後半アディショナルタイムの数分だけで森保ジャパンに合流した9月シリーズ。状態を不安視する周囲に対して、遠藤は「そんなに気にしていない」と笑い飛ばしていた。
「これまで(のリバプール)は週に1試合でしたけど、今回の代表ウイークが終われば連戦になる。11人だけではサッカーはできないし、連戦のなかで間違いなく自分にも出番が回ってくると思っているし、現時点でもコンディション的には問題はない」
しかし、ミッドウィークにチャンピオンズリーグが組まれ、過密日程が生じてからも状況はいっこうに好転していない。フラーフェンベルフが絶対的な存在であり続け、来年1月の遠藤の放出プランも報じられたなかで、先述の『EMPIRE OF THE KOP』は記事のなかでスロット監督へ警鐘を鳴らしている。
「確かに日本人選手はスロットから、あまり注目されていないかもしれない。しかし、リバプールは今後、多忙な試合スケジュールに直面する。もしフラーフェンベルフが長期にわたって欠場するような、望まないシナリオが現実のものになったらどうするのか。次のウィンドウで若き守備的MFを獲得できると、絶対的な自信をもっていえないのであれば、リバプールは現在の背番号3の放出に慎重になるべきだ。危機が訪れて初めて遠藤の真の価値に気づくのであれば、それは愚かな判断といっていい」
開幕6戦5勝と好発進し、マンチェスター・シティやアーセナルを抑えて首位に立つリバプールは今日5日、敵地でクリスタル・パレスとの第7節に臨む。しかし、指揮官の信頼を得られていない遠藤が、今シーズンに加入した日本代表MF鎌田大地(28)とピッチ上で敵味方として対峙する光景は、現状では見られそうにない。