中日を退団した元首位打者のビシエドがNPBの他球団でのプレーを熱望している(写真・黒田史夫)
中日を退団した“元首位打者”ビシエドは移籍を希望するNPBの他球団で再起できるのか…獲得興味を示す球団はゼロの厳しい現実
キューバからの亡命選手であるビシエドはメジャーリーグのホワイソックスで5年プレーした後に2016年から中日に入団。開幕から3試合連続本塁打を放つ衝撃のデビューを飾り、3年目の2018年には、打率.348で首位打者、178安打で最多安打のタイトルを獲得し、ベストナインにも選ばれた。2020年には調子を落としたが、2021年に交流戦で、打率4割を打つ活躍などを見せたため、立浪監督が就任したオフに3年総額1000万ドル(当時のレートで約11億3000万円)の複数年契約を結んだ。2022年には、打率.294を残したが、リーグ最多の20併殺をマークするなど好機に弱く、成績は下降線をたどり、今季は中田翔が入団したことも手伝い、1軍で15試合、9安打、1本塁打、2打点。ほとんどを2軍で過ごし、ファームでの成績は72試合で8本塁打、31打点、打率.300だった。
立浪監督はビシエドについてこんな指摘をしていた。
「ビシエドの突っ込む悪い癖が直らない。本人もわかっているが直そうとしない。データで弱点は、ハッキリと出ていて、相手バッテリーはピンチでビシエドを迎えてもインコースにさえ投げることさえできれば打ち取れるんです。わかっている結果をベンチから見ている我々も辛いですよ」
この弱点がいまだに修正されていないのだ。そして本塁打数も2023年に6本、今季は1、2軍合わせて9本と激減するなど、加齢に伴いパワーも落ちている。
Bクラスに終わった各球団は、巻き返しをかけた戦力補強を検討し始めている段階。今後どんな動きが生まれるかわからないが、日本人扱いのビシエドが、たとえ大幅に年俸、条件面をダウンして“バーゲン”したとしても、熱望するNPBでの再起には厳しい現実が待ち受けているのかもしれない。
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