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争奪戦が勃発している中日のライデル・マルティネスはWBCにもキューバ代表として参戦した(写真:CTK Photo/アフロ)
争奪戦が勃発している中日のライデル・マルティネスはWBCにもキューバ代表として参戦した(写真:CTK Photo/アフロ)

中日マルティネスの移籍巡り前代未聞“マネー戦争”勃発…1年約15億円オファーで「横浜DeNAとソフトバンクが有力」の米報道…中日も破格条件提示で残留あきらめず

 

 ただ説明の必要はないだろうが、キューバと米国の国交が断たれているため、マルティネスがメジャーでプレーするためには、亡命という手段を選ばねばならない。2年前のキャンプ前に中日のジャリエル・ロドリゲスが突如亡命して、立浪監督の構想を狂わせ、結局、ロドリゲスはドミニカ共和国経由でブルージェイズに入団を果たした。
 だが、マルティネスにその気はなく、同記者も「彼が他のキューバ人選手の道をたどり、キューバ連盟との関係を断ち切るかもしれない可能性もあったが、少なくとも2024年にはそうはならないだろう」と予測している。
 ただ同記者は、中日残留の可能性を断定的に否定したが、中日は来季の契約をあきらめたわけではない。3年連続で最下位に終わった立浪監督の退任を受けて、井上2軍監督の1軍監督就任が決定的となっている状況でマルティネスが抜ければ、1年目からチームの再建構想はガタガタになる。
 関係者によると、ソフトバンクに比べると資金力で劣るはずの中日が破格の条件を提示して残留オファーをかけているという。マルティネスが、大方の予想に反して、急転、中日に残留する可能性も十分にあるのだ。最終的には、本人の意向を尊重した上で、キューバ政府、キューバ野球連盟が決断することになるが、そもそもマルティネスは、当時の森繁和監督に発掘され、2017年から育成契約で育てられたという背景があり、中日には大きな恩がある。2018年には支配下登録され、160キロをマークしたストレートを武器に2020年に21セーブをマーク、2022年は防御率0.97、4勝3敗39セーブでセーブ王タイトルを獲得、昨年はNPB2位タイ記録となる44試合連続自責ゼロを成し遂げて、48試合に登板し、防御率は驚異の0.39で3勝1敗32セーブの成績を残した。
 同記者は「彼の球速は今季わずかに低下したが、ストライクゾーンへの制球力といくつかのエリートクラスの球種により、彼はトップクラスのリリーバーとなっている」と評している。また11月に開催される「プレミア12」にキューバ代表として出場するかどうかは未定だという。果たして“日本最強”のクローザーは来季どこのユニホームを着ているのだろうか。

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