人気女性ジョッキー藤田菜七子がスマホ持ち込み問題で騎乗停止処分を受けて電撃引退か…なぜ不祥事が後を絶たない?
日本中央競馬会(JRA)の人気女性ジョッキーの藤田菜七子騎手(27、美浦・根本康広厩舎)が電撃引退する可能性が出てきた。複数の関係者が10日に明らかにしたもので、すでに一部ではJRAへ「引退届を提出した」との報道もなされた。週刊文春の報道により、2023年4月ごろまで複数回にわたって調整ルームの居室内にスマートフォンを持ち込み外部と通信していたことが判明。JRAが事情聴取したところ事実を認めたため、11日から裁定委員会の議定があるまでの期間の騎乗停止処分が決定していた。
“文春砲”によって1年前の不祥事が発覚
本格的な秋のGⅠシーズンにショッキングな事件が発生した。
スマホを調整ルームの居室内に持ち込む行為を隠れて行っていたことが発覚して騎乗停止処分が下された人気女性ジョッキーの藤田が、その責任を取る形で電撃引退する可能性が出てきた。すでに一部のメディアは「引退届を提出した」とも報道した。
SNS上では「残念」「今の時代に何もそこまで」などの同情の声も多く寄せられているが、複数の関係者によると、藤田は今年7月にJRA職員と結婚しており、より事の重大さを痛感して27歳にして引退という決断を検討していると考えられている。
スマホの持ち込みが発覚したのは、9日発売の週刊文春の報道。これを受けてJRAが本人に事情聴取したところ、スマホの持ち込みと不適切な使用を認めたため、11日から裁定委員会の議定があるまで騎乗停止処分とすることを決定し、本人に通告されていた。JRAの発表によると「2023年4月ごろまで複数回にわたって調整ルームの居室内にスマホを持ち込み通信していた」という。
文春は、レースの開催期間中の日付の入ったLINEの履歴を入手しており、複数の相手とのやりとりがあったことを報じた。文春では、そのうちの3人の30代の男性を特定して直撃しているが、LINEでのやりとりは、日常的な内容で八百長などの不正行為に関するものではなかったという。
そのうちの一人は「(持ち込みで)処分された人もいるが?」と聞かれ「(交際していた頃は)厳しい感じじゃなかったので」と答えており、夫のJRA職員がLINEの相手だったのではないかという疑惑も浮上。これ以上JRAに迷惑をかけられないとの思いから引退決意へ傾いたとも見られている。
また昨年5月に大量6人のスマホ不正使用が発覚した際、藤田に対しては「騎手として経験も豊富。さすがに関与していなかった」と賞賛する声が上がっていたが、この時点で不正使用していたことになる。SNS上では「藤田もやっていたのか」との声もあがっており、藤田は自分だけが免れたことへの後ろめたさを感じていたのかもしれない。
藤田は、2016年3月にデビューし、2019年にはGⅢカペラステークスをコパノキッキングで勝ち、日本人女性騎手初のJRA重賞制覇を達成。JRAの女性ジョッキーの第一人者として最多の通算166勝を挙げ、競馬界のイメージアップに大きく貢献してきた。藤田を目標に次世代の女性ジョッキーも次々とデビューしている。その藤田が騎乗停止処分を受け、しかも電撃引退の可能性が出てきたことにファンの間だけでなく競馬界にもショックが広がっている。
JRAでは近年、若手騎手のスマホ持ち込みが次々と発覚している。昨年5月に調整ルーム内で使用していたことが認められたとして今村聖奈、永島まなみら男女6人が30日間の騎乗停止処分を受けた。しかし、その後も若手騎手のスマホ不正使用に対する認識は甘く、今年5月には、水沼元輝の悪質な偽装工作による持ち込みも発覚。9カ月間の騎乗停止処分が言い渡された。さらに今月に入って永野猛蔵、小林勝太もスマホの不正使用により騎乗停止となった。