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森保ジャパンはW杯アジア最終予選の敵地でのサウジアラビア戦に2-0勝利した(写真・ロイター/アフロ)
森保ジャパンはW杯アジア最終予選の敵地でのサウジアラビア戦に2-0勝利した(写真・ロイター/アフロ)

なぜ森保ジャパンは“鬼門の敵地”でのサウジアラビア戦に2-0勝利できたのか…W杯アジア最終予選で史上初の開幕3連勝

 

 守田の言葉を聞けば、サウジアラビアの出方を見極めたうえで、相手を惑わすために最善の方策を、ピッチ上で弾き出していた跡が伝わってくる。守田が続ける。
「なので、隙あれば自分が前に行こうと狙っていたし、(鎌田)大地もいい感じに下りてきてくれたので流動性も生まれた。僕がアシストした場面のように、相手のボックス内へ入っていければより効果的だし、すごくバランスよく戦えたと思う」
 3年前に同じスタジアムで敗れた一戦と比べて、この日も先発したのは鎌田とMF南野拓実(29、モナコ)と遠藤だけ。メンバーが大幅に入れ替わっただけでなく、交代出場した選手を含めて、ピッチに立った16人全員がヨーロッパ組だった。
 カタール大会のラウンド16で、PK戦の末にクロアチア代表に敗れた直後。次回W杯へ向けて、鎌田は選手個々の戦術を高める作業からすべてがスタートすると前を見すえている。全員がヨーロッパ組となり、それぞれの国で強豪と呼ばれるクラブに所属する選手が多くなった積み重ねが、自然と代表チームのレベルもあげた。
 そのなかで、所属チームで好調をキープするMF久保建英(23、レアル・ソシエダ)やMF伊東純也(31、スタッド・ランス)、MF中村敬斗(24、同)がベンチスタートとなっている。必然的にチーム内の競争意識がさらに高まっている状況は、途中出場でダメ押しとなる追加点を決めた小川の言葉が物語っている。
「みんなが積み上げてきたものは計り知れないほど大きい。僕なんかはまだまだ何もできていないし、これからが本当の勝負だと思っている」
 小川も昨夏に横浜FCから移籍したオランダのNECで結果を残し、今年3月に代表復帰を果たした一人。カタール大会後も継続して指揮を執る森保一監督(56)のもとで積み上げられたものに、ヨーロッパ各国で選手が高めている個人的な経験、世界を見すえた3バック、そしてチーム内の競争が試合ごとにハイレベルで融合されている。
 進化している過程で、鬼門だったはずの敵地で難敵を撃破した。もっとも、選手たちの視線は埼玉スタジアムにオーストラリア代表を迎える15日の次節へ向けられている。チーム全員の思いを代弁するように、鎌田が気持ちを新たにした。
「次はホームでたくさんのファン・サポーターの前でプレーできる。絶対に勝たないといけない試合だし、次を勝てばワールドカップが自分たちにとってすごく近いものになる。またみんなで切磋琢磨し合いながら準備していきたい」
 3試合を終えたグループCで、日本は史上初の無傷の3連勝をマークするだけでなく14得点、無失点という圧倒的な数字を積み重ねている。サウジアラビア、オーストラリア、バーレーンが勝ち点5ポイント差で2位に続く状況で次節も勝利すれば、鎌田の言葉通りに、2年後の北中米大会へ向けた視界は一気に良好になる。

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