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藤田菜七子の電撃引退が正式に決定した。JRAの対応にも問題は残った(写真:REX/アフロ)
藤田菜七子の電撃引退が正式に決定した。JRAの対応にも問題は残った(写真:REX/アフロ)

人気女性ジョッキー藤田菜七子の電撃引退を招いたJRAの“落ち度”と曖昧ルール…なぜ昨年5月の厳重注意を公表しなかったのか…「施行規定上の処分ではない」の説明も残る“隠蔽疑惑”

 

 スマホの持ち込み自体が禁止されていないなら「通信はダメ。レース映像を見るのはOK」と通達されていても、実際、部屋でスマホを何に使っているかまでを管理できないだろう。
 厳格に持ち込みを禁じているボートレース業界から「JRAのルールは甘い」と指摘する声が当時から相次いでいたが、JRAの曖昧なルールに藤田らが、高い意識を持てずに翻弄された側面があったことも否定できないだろう。
 藤田は2016年3月にJRAでは16年ぶりの女性騎手としてデビュー。2019年にはGⅢカペラステークスをコパノキッキングで勝ち、日本人女性騎手初のJRA重賞制覇を達成するなど、パイオニア的存在として活躍し、その後に続く女性騎手の憧れとなった。そのルックスからファッション誌に取り上げられ、東京五輪の聖火ランナーを務めたり、プロ野球の始球式などにも登場するなど、競馬ファンの拡大に貢献してきた。166勝はJRA女性騎手最多。引退届が受理された以上、もう後戻りはできない。自らが犯した失態で不世出のジョッキーがターフから去ることになったのは残念だが、JRA側の対応にも問題はあった。競馬ファンからすればこういう悲劇は二度と見たくないだろう。

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