• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 7大世界戦の次は前代未聞の“統一戦祭り”…目玉は防衛成功を条件に井上拓真vs中谷潤人のビッグマッチ…那須川天心の地域タイトル統一戦も計画
WBA世界バンタム級王者の井上拓真と挑戦者の堤聖也が計量後にフェイスオフ(写真・山口裕朗)
WBA世界バンタム級王者の井上拓真と挑戦者の堤聖也が計量後にフェイスオフ(写真・山口裕朗)

7大世界戦の次は前代未聞の“統一戦祭り”…目玉は防衛成功を条件に井上拓真vs中谷潤人のビッグマッチ…那須川天心の地域タイトル統一戦も計画

 

 来年の2月か3月に今回の7大世界戦の結果を受けて、今度はダブル、トリプルの統一戦を開催するビッグプランが進行しているのだ。これもまた7大世界戦を上回る前代未聞の“統一戦祭り”だ。
 興行の目玉は、それぞれが今回の防衛に成功することを条件に、WBA王者の井上vsWBC王者の中谷の日本人同志の統一戦となる。拓真は、11日の公式会見で改めて「目標は統一戦。中谷選手とやりたい」と熱望。中谷もここまで「やりたいのは井上拓真選手」とラブコールを送り続けてきたビッグカードだ。
 そしてフライ級は、WBA王者のユーリ、WBO王者のオラスクアガがそれぞれ防衛に成功し、拳四朗がWBCのタイトルを手に入れれば、拳四朗vsユーリ、あるいは、拳四朗vsオラスクアガのいずれかのカードがマッチメイクされるだろう。拳四朗とオラスクアガの一戦は、昨年4月にライトフライ級で実現しており、激闘の末、拳四朗が9回TKOで勝利。オラスクアガは「私の戦歴にひとつだけ黒星がついている。その相手と再戦ができればいい。この試合に勝たねば道は開けないが」と、拳四朗との再戦を熱望している。
 またWBOのベルトを持つ田中のスーパーフライ級は、元4階級制覇王者の井岡一翔(志成)からWBAのベルトを奪ってIBFとの統一王者となったフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)と、最強の呼び声が高いWBCのジェシー“パム”ロドリゲス(米国)の2人の王者がいる。バムはファイトマネーが急騰しておりマッチメイクが難しいそうだが、帝拳がプロモーションしているチャンピオン。もし田中vsバムの統一戦が実現すれば世界的な話題にもなる。
 そして、この“統一戦祭り”に番外編で華を添えるのが天心だ。今回は初の地域タイトルへの挑戦。勝てば、世界挑戦切符が手に入ることになるが、帝拳サイドは世界挑戦は、まだ時期早尚と考えていて、元K-1王者でWBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)から挑戦者に指名された天心自身も「まだまだ強くなるので。ちょっと待って下さい」と返している。
 そこで、“統一戦祭り”には、地域タイトルの統一戦という番外の枠で加わる計画だ。相手はOPBF東洋太平洋王者の栗原。28戦19勝(16KO)8敗1分けのハードパンチャーだ。当初、栗原への挑戦が水面下で模索されていたが、栗原が7月に行われた前戦で苦戦し、ダメージを負ったため、WBOアジアパシフィックのタイトルへ方向転換したという背景もあった。天心も「本当は日本人の王者へ対戦した方がファンもわかりやすい。ただ前戦でダメージがあったみたいで、そういう相手とやるとまた色々と言われる」という話をしていた。
 井上vs中谷のビッグマッチをメインに複数の統一戦が組まれるイベントが実現すれば、また世界に類を見ない日本ボクシング界の大胆なチャレンジとなる。

関連記事一覧