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9ラウンドに天心がダウンを奪う(写真・山口裕朗)
9ラウンドに天心がダウンを奪う(写真・山口裕朗)

「こっちはいつでもいい」初のタイトルを奪取した那須川天心に名指しされたWBO王者の武居由樹はどう見た?…敗れたアシロは「IBF世界王者よりスピードは上」と証言

 

 しかし天心は武居だけを見ていない。
「4人(の日本人世界王者)全員とやりたい。ベルトが欲しいからやるんじゃなく強いからやる。負けた拓真選手はベルトはないけれど強いんでやりたい。強いと思われている選手を倒したい」
 WBO王者の武居だけでなく、メインで力の差を見せつける6回TKO勝利したWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M.T)、IBF王者の西田に加え、前日に堤聖也(角海老宝石)に判定負けして、王座から陥落した井上拓真(大橋)の名前まで出して対戦を熱望した。天心の発言はすなわち統一王者を目指すということなのだ。
 ただ課題は残っている。
 粟生トレーナーは「パンチを効かすまでいって倒し切れない課題が見えた。倒しにいくと力みいらない間ができる。流れで倒しにいくボクシングに修正する。どの4人に挑戦しても勝てる那須川天心をしっかり作っていくだけ」と課題を明かした。
 天心自身は、タイトルの返上を口にしていたが、来年に予定されている次戦は、OPBF東洋太平洋同級王者の栗原慶太(一力)との地域タイトルの統一戦が最有力。 
 デビュー戦以来の日本人対決で天心の“本物度”が確かめられることになる。
 4日に日本テレビ系の報道番組「news zero」に出演して「テレビをつければ大谷翔平選手じゃないですか。飽きちゃわないですかね」と発言しSNSで炎上騒ぎを起こした。公式会見の後にその真意を問うと「あの発言は大谷選手に言ったわけじゃない。でも僕はいい炎上だと思っている。あれで(次のタイトル戦を)見てくれる人が多くなった。しっかりと勝って回収して次の日のテレビのニュースにして下さい」と説明していた。
 この日の試合後会見の最後に、大谷のドジャースがリーグチャンピオンシップの初戦でメッツに大勝したことを伝えた上で「天心のタイトル奪取が明日のテレビのニュースになると思うか?」と聞いてみた。
「勝ったんですか?それなら政治的にも試合的にも(テレビニュースで取り上げられるのは)無理でしょうね。テレビを見ている人はKOが好きですから判定では無理でしょう(笑)。ただ格闘技が好きな人には面白い試合はできたんじゃないでですか?」
 素直に“世界”の大谷への“敗戦”を認めたが、小さな自負を語ることも忘れていなかった。大谷を超えるニュースバリューを持つには、スーパーバンタム級の4団体統一王者である井上尚弥(大橋)級の実力を備えねばならない。だが、天心は自らの可能性を信じて疑わない。
 最後にミーハーな話題をひとつ。「フライデー」に激写された「付き合い2週間」の金髪ダンサーの“新恋人”は「会場に来ていました」そうである。
 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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