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“問題児”カシメロ(左)と元世界王者のプロモーター伊藤雅雪氏(右)は井上尚弥戦を熱望しているが…
“問題児”カシメロ(左)と元世界王者のプロモーター伊藤雅雪氏(右)は井上尚弥戦を熱望しているが…

「計量オーバーのカシメロと井上尚弥の対戦の可能性は100%ない」“キーマン”の大橋会長が明かす

 

 大橋会長は「試合内容は関係なく体重を守れない時点でアウトですよ。井上尚弥の対戦候補は何人かいるが、カシメロは対戦候補リストに入っていません」と断言した。
 5月6日に井上が東京ドームで対戦したルイス・ネリ(メキシコ)も、WBC世界バンタム級王者の山中慎介とのタイトル戦で体重超過を犯し、JBCから無期限のライセンス停止処分を受けていたため、大橋陣営は当初対戦候補から外していた。だが、スーパーバンタム級に上げてからのネリが、WBCの指名挑戦者になるまで実績を積み信頼を回復させたため、挑戦者として認めたという経緯がある。それでも計量オーバーした場合は、即試合を中止にするという強い姿勢を打ち出し、その場合のリザーブとしてTJドヘニー(アイルランド)を用意していたほど。ルール厳守をポリシーとする大橋陣営が、カシメロを対戦候補から外すのも当然と言えば、当然だろう。
 カシメロは、WBOバンタム級王者時代にもポール・バトラー(英国)とのタイトル戦で一度目はウイルス性胃腸炎でキャンセル、次は英国のローカルコミッションが禁止しているサウナによる減量をしていたことが発覚して試合が中止となり、ベルトを剥奪されている。しかも、サンチェスを“秒殺”したリング上で「計量のミスなんか関係ない」と反省の素振りも見せていなかったのだから、大きな“お金”が動く井上の興行では、とても怖くて挑戦者には指名できないだろう。
 加えてカシメロは、今回の計量失格により、JBCルールに従い、日本国内の試合においては6か月間の出場停止処分となる。
 伊藤氏が強調するようにカシメロの一発は魅力で、強すぎて対戦相手選びに困るモンスターにとっては、ネリ戦に勝るとも劣らない“勝負論”のある対戦候補ではある。ただルールを守れないボクサーにチャンスが与えられるほどボクシングの世界は甘くない。井上尚弥は12月にWBO&IBFのランキング1位で指名挑戦者のサム・グッドマン(豪州)と防衛戦を行う予定となっている。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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