「岸田は体を張って暴投を止めなきゃダメだ!」崖っぷち巨人は「意地を見せる」ことができるのか…的中した横浜DeNA三浦采配と埋められぬ吉川尚の穴
三浦監督の投手起用も冴えた。
4回二死一、二塁のチャンスに代打のフォードを送り、逆球が多く、決して出来のよくなかった先発の吉野を3回で下げると、佐々木を1イニング挟み、中川、山崎に2イニングずつ回跨ぎで投げさせた。
「みんながいい準備をしてくれて、回跨ぎもしてくれましたし、みんなでカバーしてよく守ったと思います」と三浦監督。
CS用のスペシャル継投がはまっているのだ。
横浜DeNAは何も完璧な野球をしているわけではない。6回に先頭の宮崎の“魔のトライアングル地帯”に飛んだフライをセカンドの中山がグラブに当てながら捕れず、二塁を陥れた(記録は二塁打)。だが、桑原のバントは捕手前に転がり、三塁で封殺。さらに桑原が仕掛けた盗塁も失敗し、森も空振りの三振に終わり、横浜DeNAの攻撃が、ミスの連続で空回りしたのである。だが、その横浜DeNAが手渡しかけた流れをつかめないほど巨人打線は冷え込んでいる。
いよいよ後のなくなった巨人のここからの逆襲は可能なのか。2012年には、同じくファイナルステージで、リーグ2位の中日に3連敗したが、そこから3連勝して日本シリーズ進出を果たした。当時の4番が阿部監督。崖っぷちの第4戦では2本のタイムリーを放った。第5戦では、代打石井のサヨナラ勝利で勢いをつけ、第6戦は、巨人がホールトン、中日が伊藤と互いに中3日での先発となったが、巨人が4-2のスコアで逃げ切った。この時の巨人のラインナップは、1番が長野で3番が坂本。この日、阿部監督は、長野を1番で起用し、8回に先頭打者としてレフト前ヒットをマークしているが、その時の記憶がフラッシュバックしたのかもしれない。大逆転劇を知るベテランの2人がリーダー役を務めることができるかどうか。
注目の先発は巨人が井上で、横浜DeNAがジャクソン。井上は今季対横浜DeNAに6試合登板で2勝1敗、防御率2.55、CSファーストステージの阪神戦で好投したジャクソンは対巨人に4試合、1勝1敗、防御率2.19の成績を残している。
前出の評論家は、今後の展望をこう予想する。
「勢いは横浜DeNA。今の巨人打線ではジャクソンから大量得点を奪うことは難しそうだから、いかに井上が耐え、ミスをせずに横浜DeNAが転んでくれるのを待つ展開に持っていけるかどうか。ただ1勝を返せば、エースの東を怪我で欠く横浜DeNAは、第5戦以降はローテーの苦しさを露呈することになり、形勢が逆転する可能性はあると思う」
逆境の巨人と勢いの横浜DeNA。勝負の第4戦だ。