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ベテラン坂本の激走が巨人を崖っぷちから救う(資料写真・黒田史夫)
ベテラン坂本の激走が巨人を崖っぷちから救う(資料写真・黒田史夫)

「横浜DeNAは最善の防御を怠った」セーフティースクイズ&1秒40の隙を突く重盗を仕掛けた巨人の阿部采配と危険な“綻び”を見せた三浦野球

 

 ケラーはオースティンに初球から151キロのストレートでインコースを攻めた。ボールになったが、2球目も、捕手の構えたミットはインコース。逆球となり、首位打者の“ツボ”である外角高めにいったが、幸いにも球威で押してファウルになった。3球目も高さを間違えず152キロのストレートをインコースへ。1-2と追い込み、ひとつ落ちるボールを見せてから最後はカーブ。低めの変化球には手を出さないオースティンのバットが落差のあるカーブに空を切った。
 続く宮崎も最後はインサイドへのストレートで空振り三振。ケラーは感情を露わに右手でガッツポーズを作った。
 9回、クローザーの大勢は、一死から牧、佐野に四球、死球と続けて一発で同点のピンチを作ったが、彼もまたオースティン、宮崎を連続の空振り三振に斬ってゲームセット。8月に左手首を骨折したヘルナンデスを緊急昇格させて5番でスタメン起用した阿部監督は、テレビの代表インタビューで無表情を装い、「崖っぷちなんでね。もうあと1個も負けなきゃいいんだと思ってやった結果、やっと勝てましたね」と、執念で勝ち取った1勝を振り返った。
 一方の三浦監督は、スポーツ各紙の報道によると「足を使った攻撃というのはシーズン中もしてきますし、そうすべてをうまくやらせてもらえないなというのは当然ありますし、これをひきずらないようにして明日に向けてやっていきます」と切り替えを強調した。
 前出の評論家は「この1勝がシリーズの流れを変えるかも」と見た。
「CSではレギュラーシーズンとは別チームのような堅い守備で、集中力が高くミスの少なかった横浜DeNAがまた課題を抱えたチームに戻ってしまったように感じた。ここから先はエースの東を欠いた影響が出てくる。王手をかけた横浜DeNAが有利である点は変わらないが、巨人は、もう互角になったつもりで落ち着いてゲームを飲み込んでいくでしょう」
 今日20日の第5戦は巨人が今季2桁勝利をマークした山崎伊で、横浜DeNAは2勝4敗と不振で2軍暮らしも長く続いた左腕の濵口。
 お立ち台で岸田がファンに向かってこう叫んだ。
「今日1勝できたことによって絶対に変わってくる。みんなで日本シリーズに行きましょう!」

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