なぜ?公表1球団の“鉄のカーテンドラフト”で「本当に1位指名すべき」9人と「評価に疑問が残る」危険な上位候補とは?…ノムさん“片腕”元ヤクルト編成部長が直前診断
松井氏は3番手に関西大の左腕、金丸を置いた。阪神、巨人、中日の最低3球団の重複が予想される。最速154キロを誇り、侍ジャパンにも選ばれた金丸の評価を下げた理由は、5月に発症した腰の骨挫傷を考慮したものだ。
「三振が取れて四球も出さない。ソフトバンクの和田毅のように腕が隠れる。3年生の時の状態であれば、即プロで2桁勝てると見ていたが、4年になってトーンダウン。5月に怪我をしてから今秋は1試合も先発せず10試合すべて救援登板だった。全力で投げることができていない。ここをどう判断するか。去年のドラフトの例があるだけに各球団の調査力が試されるところ。外から見ているだけだが私が編成部長なら1位指名は回避する」
後述するが、金丸も「評価に疑問が残る」危険な上位候補の一人だという。
4番手評価は、青学大の西川と大商大の渡部の大型野手2人。西川は侍ジャパンにも選ばれた1m82、88Kgの右打ちの外野手で、去年、今年と春にリーグMVP。足を大きく上げてタイミングを取り、大学選手権も含めると大学通算8発でパンチ力とミート力の両方を兼ね備える。渡部も、通算9発に加えて、リーグ戦の最多安打記録に並ぶなど、力と技の両方を兼ね備えた外野手で、三塁もできる。広角に打て、おまけに足と肩もある。広陵高出身で宗山とは同期だ。
「ボールを待つタイミングと柔らかさは西川。渡部は少し硬いが、2人の共通点は逆方向へも広角に打てること。渡部は、足が速く肩も強い。三塁も守れるので、球団の事情に合わせて1位指名があると思う」
6位からは、素材型の高校生のランキングに入るが、松井氏が、東海大相模の大型左腕、藤田琉生や報徳学園の今朝丸祐喜よりも上の評価を与えたのが、前橋商の1m92、95kgの大型右腕の清水大暉だ。最速149キロの角度があり球持ちのいいストレートが武器。2年夏に甲子園出場はあるが、1回持たず、以降出場機会がなかったため、中央では無名。
「長身にもかかわらず投球バランスがいい。阪神の才木浩人を彷彿とさせる。右打者の外角へ斜めに入っていく角度と左打者の膝元へのスライダーに天性を感じる。1位もありえる」
7位に評価したのは、生光学園の右腕、川勝空人。1m81、84Kgで、最速は153キロの四国の剛腕。甲子園出場はなく、最後の夏は、徳島県大会の1回戦で6回から登板して、押し出し四球を与えてサヨナラ負けを喫した。
「馬力がある。素材型のように見えるが即戦力に近い。上から投げ下ろしフォームにワンテンポを置くような間があるため、そこで打者との距離をつめタイミングを狂わせる」