なぜ?公表1球団の“鉄のカーテンドラフト”で「本当に1位指名すべき」9人と「評価に疑問が残る」危険な上位候補とは?…ノムさん“片腕”元ヤクルト編成部長が直前診断
そして1位指名も予想される東海大相模の藤田、報徳学園の今朝丸と続く。
「1m98ある藤田のような大型左腕はプロでは成功が難しいとされてきた。だが、藤田の身のこなしは、その大型左腕に貼られたレッテルを覆すと思う。甲子園では力で押す投球と変化球でかわす投球の器用な2面性も見せてくれた。今朝丸の評価を下げたのは、センバツから夏に向けて成長があまり見られなかった部分。それでもポテンシャルは疑いがない」
一方上位指名の評価を受けている候補の中で「疑問が残る」と松井氏が評価を下げた候補もいる。即戦力投手では、法大の最速157キロ右腕の篠木健太郎だ。
「あくまでも個人的見解だと理解してもらいたいが、篠木は馬力はあるが、打者の反応を見ていると、それほど体感スピードを感じていないように思える。バラつきもあり、伸びシロについても厳しい」
高校生では、阿南光をセンバツ8強へ導いた右腕の吉岡暖、広陵の最速148キロ右腕の高尾響の2人をリストから外した。
「ピッチングは上手いがスピードが足りないのが吉岡。大学、社会人での成長を待ちたい。高尾もセンバツから夏にかけて成長が見られず評価が難しい」
野手に目を向けると、即戦力の大型三塁手として上位指名が予想される青学大の佐々木泰を消した。東都で通算12発。おまけに俊足強肩だが、松井氏は「パワーがあるが粗い。この秋は、打率3割を打ったが、今春、昨秋と1割台。確実性に乏しい。三塁手としての守りは上手いが、同じようなタイプの大商大の渡部に比べると躊躇する」と厳しい見解。
高校生の野手では、U-18代表に選ばれた花咲徳栄のショートストップの石塚裕惺への評価を下げた。1m81、84Kgの大型ショートだが、「石塚は高いレベルでバランスは取れているが、バッティングの硬さが気になる。金属バット打法から抜け切れていない。また気が抜けたような雑なプレーが目についてしまう」と松井氏。
異例の“鉄のカーテン”に隠された2024年のドラフトの開始は午後4時50分。そこにはどんなドラマが待っているのだろうか。