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セ・リーグのドラフト指名選手(支配下)
セ・リーグのドラフト指名選手(支配下)

「上位3人遊撃手指名の巨人は最下位評価」元ヤクルト編成部長がドラフト成否を独自採点…「90点以上は楽天と中日。日ハム、ソフトは未来型で西武とヤクルトは戦術成功。阪神はユニーク挑戦」

 

「それぞれの球団の思惑が見えて平均点以上だった」と、横並びで75点の評価をしたのが、阪神、広島、横浜DeNAの3球団だ。
 阪神は金丸を逃したが、外れ1位でNTT西日本の最速149キロ左腕の伊原陵人、2位で報徳学園の大型右腕の今朝丸裕喜を指名した。
「伊原は、1m70と上背はないが、腕が隠れて出てきてリリースポイントが前にあり、打者が打ち辛い、大商大出身の即戦力左腕。2位も地元の甲子園スターの今朝丸。センバツから夏にかけての伸び悩みが気になる投手だが、球界を代表するストッパーだった藤川新監督がどう育てるか見もの。また独立リーグから育成も含め5人指名した。育成1位の徳島の工藤泰成は最速159キロの急成長の剛腕。近年、徳島など一部の独立リーグのチームは立派な施設を揃えデータを使った指導法も確立している。そこに目をつけた阪神の取り組みはユニークだろう」
 宗山の1位指名を公表した広島は外れ1位で青学大の通算12発を打った三塁手、佐々木泰を指名した。
「広島は渡部ではなく、佐々木を指名した。守備の上手さは佐々木だが粗さがある。スカウトの見る目が試される。外国人の失敗もあり末包に続く和製大砲が欲しいのだろう。評価したいのは、2位の富士大の左腕、佐藤柳之介。阪神の伊藤将司に瓜二つの変則フォームでタイミングが取り辛い」
 1本釣り戦略で知られる横浜DeNAも金丸に参戦した。補強ポイントはメジャー移籍した今永昇太の穴を埋めきれなかった先発投手。外れで三菱重工westの竹田祐、2位で評価の高かった法大の右腕、篠木健太郎、6位でも国学院大の1m80、80kgの大型右腕、坂口翔颯を指名した。
「横浜DeNAは即戦力投手を3人獲得したことで成功だろう。竹田は明治大では指名漏れしたが、球速、制球力とアップした。6位の坂口は総合力では大学、社会人でトップクラス。平均点に留めたのは、2位の篠木は最速157キロは出るが、打者の反応を見る限り、体感はそれほどでもなくバラつきがある点」
 そして「最下位の評価」は、巨人で平均点に届かぬ65点。石塚を西武との外れ1位の競合で引き当て、2位で九州産業大の俊足巧打のショートである浦田俊輔、3位でも上武大の左の長打力を秘めた大型ショートの荒巻悠を指名した。
「ポスト坂本勇人を意識しているのだろうが、上位3人をショートでまとめたのは、あまりにも偏り過ぎている。高校生の石塚、スピードタイプの浦田、長打タイプの荒巻と、特徴の違う選手を集めたが、菅野智之がメジャー挑戦するのだから、即戦力の投手を絡めておくべきだった」
 最後に松井氏は2024年のドラフトをこうまとめた。
「下位チームがドラフトに成功したことで来季が面白くなる。そして大事なのは、ドラフトの後。本人がどう努力して、チームがどう育成するか。本当の成否がわかるのは、5年後、10年後でしょう」
(文責・RONSPO編集部)

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