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12.24有明の防衛戦を正式発表した井上尚弥(写真・山口裕
12.24有明の防衛戦を正式発表した井上尚弥(写真・山口裕

異例の挑発?!「応戦しなきゃ一方的な冴えない塩試合になるよ」なぜ井上尚弥はクリスマス決戦の決まった“最強挑戦者”グッドマンの発言に文句をつけたのか?

 

 こう熱い思いを続けた。
「(ドヘニーは)長引かせたいという思いで試合をした。その試合に対して冴えないという感想を持ったグッドマンが、もし同じような戦い方を選択したのであれば、その試合も冴えない試合になるよということです。自分は性格的に塩試合でも勝てればいいという思いでボクシングをやっていない。倒しに行きますし。山場も作るようにします。それに応戦してくれないのであれば、多分一方的な冴えない試合になるんじゃないですか」
 バンタム級時代から、モンスターのパンチ力を恐れる相手が徹底してディフェンスを固めた場合に倒すことに苦労してきた。減量の問題を抱えていたが、ドジャースへ移籍した大谷翔平のように「ヒリヒリした戦い」を求めてスーパーバンタム級に上げて、真っ向勝負に来たWBO&WBC王者のスティーブン・フルトン(米国)、元2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)とは、緊迫感のある名勝負になった。しかし、もしまたグッドマンが、タパレスやドヘニーのように守備的な戦術を採用するであれば、塩試合に終わる可能性が高い。
 実際、この日の会見でグッドマンは「井上選手はいいボクサー。パウンド・フォー・パウンドを相手にしたこの試合が、どのような試練になるかは承知している。わざわざ東京へいって倒れることなんか考えていない」とKO拒否の姿勢を明らかにしている。
 だが、“塩試合”ではファンを楽しませることができないし、なにしろ井上自身がつまらない。だから、19戦無敗でWBOとIBFでランキングは1位のものの、パンチ力がない総合型ファイターのグッドマンの容易に想像のできる“塩試合戦術”に釘をさしたのだ。
「グッドマンは、2団体でランキング1位。そこまでの実力のある選手が守備的なボクシングをしたり倒されないボクシングを徹底したら、それはそれで倒すのも難しい。そんな中で必ずこの勝利を手にするという物は曲げずに戦います」
 ただ井上はプロフェッショナルだ。そのことでモチベーションが左右されるような甘い心持ちはない。
「前回の自分を超えることをモチベーションにしています」
 グッドマン対策もスタートした。
「グッドマンのスタイルも考慮した上で、今回はパワーではなくスピード。そこで 戦う選択肢が1番適していると思います」
 前回のドヘニー戦では挑戦者が当日体重を10キロ以上増やしてくるという体格差に対抗するため、当日体重を過去最重量の7.4キロまで増やした。再来年に転向を見据えているフェザー級へのテストも兼ねたが、結果、本人や周囲は否定するが、動きは重く本来のキレとスピードに欠いた。今回は、当日の体重の戻しを6キロ程度に抑え、八重樫トレーナーの指示を仰ぐフィジカルトレーニングもスピード系にシフトする考えだという。
「1.4キロ低ければ多分相当なスピードが出ると思う。調整面、リカバリー面も含めて、そういった戦い方にしていきたい」

 

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