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  • 異例の挑発?!「応戦しなきゃ一方的な冴えない塩試合になるよ」なぜ井上尚弥はクリスマス決戦の決まった“最強挑戦者”グッドマンの発言に文句をつけたのか?
12.24有明の防衛戦を正式発表した井上尚弥(写真・山口裕
12.24有明の防衛戦を正式発表した井上尚弥(写真・山口裕

異例の挑発?!「応戦しなきゃ一方的な冴えない塩試合になるよ」なぜ井上尚弥はクリスマス決戦の決まった“最強挑戦者”グッドマンの発言に文句をつけたのか?

 

 加えて2017年以来、7年ぶりとなる年間3試合のペースのプラス効果もある。
「体が100パーセントオフに戻らない間にトレーニングを再開できるのですごくいい。自分にとってプラス。この12月を終えて、31歳という年齢で3試合をやった結果、どうだったのかというのは、2025年をどう進めていくかということの参考にもなる」
 負けられない理由もある。水面下で来年のビッグプランが進んでいるのだ。
 まずは来春の米国再進出。大橋会長は、候補地を聖地のラスベガスだけでなく、ニューヨークも付け加えた。ただ対戦相手がまだ未定。WBAの指名挑戦者で元WBA&IBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が、「オレから逃げるのならベルトを返上しろ」と過激な挑発を続けてきているが、タパレスに敗れていることで、米国のファンからの期待感は薄く、せっかくのモンスター再上陸の興行が成り立たない可能性があるという。現段階でのWBAのベルト返上の可能性を大橋会長は否定したが、スーパーバンタム級のランキングボクサーにこだわらずサプライズ的な相手が検討されているのかもしれない。
 そして2025年のハイライトになりそうなのが、WBC世界バンタム級王者、中谷潤人(M.T)との日本人対決だ。当初、来年2月にWBA世界バンタム級王者だった拓真との対戦が内定していたが、13日の防衛戦で堤聖也(角海老宝石)に判定負けで王座から陥落したことで、そのカードは白紙に戻り、中谷が階級を上げてのモンスターvsネクストモンスターの対決が加速化した。
「中谷選手がバンバンKOで勝ちあがっている。日本人対決はモチベーションが上がるし、その相手は中谷選手しかいない。以前は井岡一翔選手がいたが、階級が離れすぎた。対戦相手は必然的に限られてくる」
 大橋会長も中谷戦を否定しなかった。
 井上が2025年も年間3試合戦うつもりなら12月。2試合のつもりなら秋にも実現するだろう。武居が、WBOアジアパシフィックバンタム級王者となった那須川天心に「何かの記事で天心選手がちょっと待ってくれと言っているのを見たが、早くやろうぜという感じ」と、改めて挑戦者指名をしたが、井上vs中谷、武居vs天心のダブル世界戦なら東京ドームは満員になる。
 井上の視線も来年のビッグファイトにある。
「来年の大きな試合に向けてのステップアップの試合になると思う。来年というか来春ですよね。海外でやるのか、また日本になるのか。この試合が終わってから動き出す。ただこの試合に勝たなければ その次のステージは見えてこない。1つ1つ大事に戦っていきたい」
 だからこそ“塩試合はやめよ”と“最強挑戦者”を挑発したのである。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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