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清原和博氏の長男である慶応大の正吾はドラフトで指名漏れ(写真・日刊スポーツ/アフロ)
清原和博氏の長男である慶応大の正吾はドラフトで指名漏れ(写真・日刊スポーツ/アフロ)

「客寄せパンダじゃ失礼」なぜドラフトで清原ジュニアやセンバツ優勝捕手の箱山遥人らは指名漏れしたのか…今後進むべき道は?

 

 気になる今後について松井氏は「独立リーグがいいのでは?」という意見。
「社会人は、“プロ待ち”をしてくれるところもあるが、事前に話ができていないと難しい。そうなると選択肢としては、社会人のクラブチーム、独立リーグ、オイシックス、くふうハヤテということになる。本人がどれだけの意思を持っているかが重要だが、もしプロへの道をあきらめていないのであれば、独立リーグでプレーするのがベストではないか。年齢的なもの考えると独立なら1年で解禁するし、今回のドラフトでも独立から支配下で7人、育成で9人が指名された。近年、一部の独立のチームは、施設や指導体制が整いより成長できる環境にある。それこそ清原のネームバリューで独立のチームからは引っ張りだこになるだろう。しかし一塁しか守れないようでは選択肢は狭まる。三塁や外野など、よりプロ側の間口が広がるポジションへ挑戦した方がいい」
 今回元プロ野球選手の父親を持つジュニア選手の候補は清原以外にも5人いた。
 日ハムで20年もユーティリティープレーヤーとして活躍した飯山裕志氏の息子の立正大の外野手、志夢、西武で先発、中継ぎ左腕として通算36勝、54ホールドをあげた三井浩二氏の長男である浦和学院高の大型スラッガーの内野手、雄心、中日、ロッテ、西武で捕手としてプレーした椎木匠氏の息子の横浜高の捕手の卿五、中日、ロッテで捕手を務めた吉鶴憲治氏の息子の法大の最速151キロ左腕の翔瑛、そして前出したロッテ、ヤクルトで主に中継ぎ左腕として実働5年で79試合に登板した充氏を父に持つ健大高崎の田中の5人。だが、指名されたのは田中だけだった。
「飯山は、左打ちの安打製造機タイプで足も肩もあり、最も指名の可能性が高いと考えていたが、まだ線が細いと判断されたのかもしれない」と松井氏。
 指名漏れ選手の中でファンの間から「まさか」の声が聞かれたのは、センバツの優勝捕手で、U―18代表にも選ばれ「世代ナンバーワン捕手」の評価の高かった箱山だろう。強肩&俊敏なフットワークに加えて通算35本の長打力を秘める。
 だが、松井氏は箱山に関しては「課題はバッティングで、パワーはあるが外角の変化球への対応に苦慮している」との問題点を指摘していた。
 今夏の甲子園では2試合でヒット1本しか打てていない。
「指名縛りがあった可能性はあるが、やはり外角のボール球に簡単に手を出す部分をプロでは致命的な欠陥だと判断されたのかもしれない。素材は間違いない。今後、大学、社会人でどう改善するか」
 また広陵の最速148キロ右腕の高尾響も指名されなかった。甲子園には春夏通じて4度出場。U―18代表にも選ばれたが、松井氏は「春から夏にかけて成長が見られなかった点が、伸びしろという部分でマイナス材料だったのかも。高校の段階で出来上がってしまっている投手の見極めは難しい」と見ている。
 高尾はトヨタ自動車へ進む予定。
 横浜DeNAに関大の金丸夢斗の外れ1位で指名された三菱重工westの最速153キロ右腕の竹田祐は、明治大、社会人2年目と2度プロ志望届を出しながら指名漏れを味わった。
 捲土重来――。彼らの未来はここが終わりではない

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