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全日本大学駅伝は國學院大が8区で上原琉翔が4秒差を逆転して初優勝を果たす(写真:SportsPressJP/アフロ)
全日本大学駅伝は國學院大が8区で上原琉翔が4秒差を逆転して初優勝を果たす(写真:SportsPressJP/アフロ)

箱根駅伝はどうなる?!「エース区間と山は青学さんと駒澤さんが強いです」全日本大学駅伝で初優勝し3冠王手の國學院大が青学大と駒沢大を警戒する理由とは?

 

 今大会で評価をさらに上げたのが駒大だ。序盤に出遅れ、2区終了時で青学大
に2分23秒もの大差をつけられた。それでも3区伊藤蒼唯(3年)で16位から8位に急上昇する。7区篠原倖太朗(4年)が平林と太田を10秒上回るハイレベルの区間賞を獲得。さらに8区山川拓馬(3年)が凄まじかった。2分37秒差を追いかける展開ながら、青学大を抜き去り、最後は國學院大の背中に28秒差まで急接近したのだ。
「山川君が突っ込んできましたから、上原の姿が見えるまで優勝は確信できませんでした。終盤の駒澤さんも凄かったなと思います」(前田監督) 
 駒大・藤田敦史監督も「篠原は単独であれだけ走れたのはこれまでなかったですし、山川はとんでもない走りでしたよ。箱根駅伝に近い距離の7区と8区で他大学を圧倒したわけなので、そこはうちのストロングポイントになると思います。篠原と山川がいて、圭汰が戻ってきたら、これは強みになりますよ」と手応えをつかんでいる。学生ナンバー1のスピードを誇る佐藤圭汰(3年)も箱根駅伝には間に合う見込みだという。
 前回の箱根は篠原が1区(1位)、佐藤が3区(2位)、山川が4区(6位)を担ったが、今回は区間配置がシャッフルするかたちになりそうだ。
「今日の山川の走りを見たら2区をやらせたいですけど、篠原もエースとしては2区をやりたいはずです。青学大・黒田君に対抗するなら(同学年の)山川でしょうね。そして今回は太田君に篠原が勝っているわけですから、3区での対決になったら皆さん喜ぶかな。ただ箱根は山があるので、適材適所に選手を配置していきたいです」(藤田監督)

 一方、選手に箱根駅伝の希望区間を尋ねると、主将・篠原は「2区は意識していますけど、どこでも走れるように準備をしていきたい。平林とは1勝1敗ですし、太田は箱根になると本当に強くなってきますが、区間賞が目標です」と全日本に続いて、箱根でも〝エース対決〟に完勝するつもりでいる。
 全日本8区で2年連続の区間賞を獲得した山川は、「任された区間をやるだけですけど、正直、山をやりたいです」と前々回、出走した5区(4位)を熱望。「1時間8分台を狙っていきたい」と区間記録(1時間09分14秒)の更新に意欲を燃やしている。また2区を任された場合は、「区間賞争いには食い込みたいですね。前回の黒田君のタイムくらいでは走りたい」と話していた。
 駒大の区間配置はまだ固まっていないが、篠原と山川の起用が濃厚な往路はかなり強力だ。
 そのなかで駅伝3冠を目指す國學院大はどのように勝ちにいくのか。前回は5区上原が区間17位と振るわなかっただけに、山は未知数な部分がある。
 筆者は箱根駅伝へのピーキングが抜群な青学大が第101回大会も優勢なような気がするが、はたしてどのようなクライマックスを迎えるのか。箱根での〝3強〟の熱いドラマを楽しみにしたい。
(文責・酒井政人/スポーツライター)

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