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J1町田で黒田剛監督(右)を支えた金明輝ヘッドコーチ(左)のアビスパ福岡次期監督決定的の報道を受けてサポーターが異議(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
J1町田で黒田剛監督(右)を支えた金明輝ヘッドコーチ(左)のアビスパ福岡次期監督決定的の報道を受けてサポーターが異議(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「どうしてこの監督?」アビスパ福岡の次期監督人事報道を受けてサポーターが白紙撤回を求める…クラブは今後どう対応?

 記者会見に臨んだ当時の村井満チェアマン(65、現・日本バドミントン協会会長)は、金氏の手腕の高さを認めながらも、その行為を厳しく非難していた。
「時代とともに社会規範が変わっていくなかで、動機や理由のいかんによらず、ハラスメント行為や暴力、暴言はいっさい許されないとJリーグとして確認したい」
 さらに公認指導者ライセンスを発行するJFAも、金氏の一連の行為を問題視。2022年3月に、金氏が取得していた最上位のS級ライセンス(現・Proライセンス)を、ひとつ下のA級ジェネラル(現・Aジェネラルライセンス)へ降級させた。
 S級からの降級は前例のない厳罰で、JFAはA級コーチジェネラルの資格自体も1年間にわたって停止。JFAが定める社会奉仕活動や研修も課された金氏は、2023シーズンに町田のヘッドコーチに就任。高校サッカーから転じた黒田剛監督(54)をサポートしながら、今年2月には約1年をかけてS級を再取得していた。
 ライセンス面では、福岡の指揮を執るうえで支障はない。しかし、金氏の鳥栖時代における立ち居振る舞いが、福岡のスローガンや基本理念の対極に位置すると示唆したウルトラオブリの投稿には、これを支持するコメントが寄せられている。
「これは何も間違った事は言ってないな」
「遠回しの拒否反応ですね」
「どうかクラブはみんなの声に耳を傾けてください」
「どうしてこの監督?とはなるよね」
「アビスパを支えるスポンサー様も同じ気持ちだと思うよ」
 なかには「一度失敗した人が過ちを反省し、再起を図ろうとチャレンジしようとする人はどうすれば良いのか、とも考えさせられます」といったコメントもあるなかで、別のサポーターグループ、エスコティーバ福岡も次のようなコメントとともに、金氏の監督招聘に対して、ウルトラオブリに追随している。
「基本理念に照らし合わせても、今回の監督人事にはどうしてこの人物を選ばれたのかと思わずにはいられません」
 監督人事に関する先行報道を巡って、クラブを応援してきたサポーター団体が相次いで異を唱える。Jリーグ史上で前例のない騒動が拡大していくなかで、福岡は次期監督に言及した報道の正否を含めて沈黙を貫いている。
 守秘義務もあるだろうし、当然ながら交渉の過程では具体的には言及できない。一方でもし金氏との交渉を進めている場合には、投稿へのコメントでも見られたように、クラブを支えるスポンサーの意向も反映されかねない。
 次期監督の選定で出遅れた場合には、オフの補強にも響き、すでにJ1残留を決めている来シーズンの戦いにも大きな影を落とす。金氏を拒絶する反応が多数を占めるなかで、福岡が水面下で大きな決断を迫られる可能性も出てきた。

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