「ロッテは佐々木朗希の我儘に愛想が…」「日本はメジャーの踏み台じゃない」「行っても失敗する」元GMの球界大御所がポスティングでメジャー挑戦の“令和の怪物”に苦言
大谷翔平も佐々木と同じく5年でポスティングが認められてエンゼルスへ移籍した。当時も25歳ルールの対象となり、契約金は231万5000ドル(当時レートで約2億6000万円)だった。だが、大谷がメジャーに移籍する際には、ここまでの賛否は起きなかった。二刀流として活躍して、投手としては3年連続で2桁勝利をあげるなど、通算42勝利、打者としても通算48本塁打で、2016年には、優勝、日本一にも貢献した。この年、投手して10勝4敗、防御率は1.86、打者として打率.322、22本、67打点の成績を残している。
一方の佐々木は、大船渡高から2019年のドラフトでロッテ、日ハム、楽天、西武の4球団競合の上、ロッテに入団したが、1年目は体力作りに専念して1試合も投げず、今季は初の2桁勝利をマークし、10勝5敗、防御率2.35の数字を残した。だが「右上肢のコンディション不良」で6月13日から8月1日の西武戦で復帰するまで長期にわたり戦列を離れ、18試合登板に留まり、プロ5年で通算29勝。この間、チームは一度も優勝はなく、2022年には5位に終わり井口資仁監督が退任している。
2022年4月10日のオリックス戦で完全試合を達成し、13者連続三振の世界記録、1試合19奪三振の日本タイ記録を樹立するなど個人記録のインパクトを残したが、一度も規定投球回数にも届かず、チームの優勝に貢献できていなかったことが、ファンやプロ野球関係者の反応の違いにつながっていると見られる。
ただ対照的にメジャー球団や米国ファンの関心は凄まじい。ドジャースが大本命とされているが、契約金が安価のため全球団が獲得に乗り出すものと予想されている。
しかし、広岡氏はメジャーでの活躍については懐疑的だ。
「まあ失敗するよ。今のままじゃメジャーの中4日、中5日できっちりと回るローテーに入ればすぐに潰れるだろう。今の肉体じゃとても持たない。沢村賞を3度とった山本でさえ怪我したじゃないか。行ってみたら厳しさがわかるよ。メジャーは即戦力として日本人を獲得するわけだから育成の考えなんかない。彼が完全試合を達成したとき、凄いボールを投げていたし、どれだけの投手になるのかと期待していたが、あれから何も成長していない。鍛えていない。すぐにどこかが悪い、痛い、とか言って練習をしていないのだろう。厳しく鍛えてこなかったロッテにも問題はあるのだが、ここにも何か無理をさせられない約束事があったのかもしれない」