出揃ったFA…“お買い得”争奪戦必至はCランクのソフトバンク石川柊太と阪神原口文仁の2人…巨額資金必要な阪神大山悠輔とソフトバンク甲斐拓也は巨人VS残留の構図
甲斐も推定年俸が2億1000万円で、獲得には大山同様、かなりの大型契約が必要となる。盗塁阻止率が下がり、横浜DeNAに敗れた日本シリーズでは、1本のヒットも打てず、その評価に疑問符がついたが、レギュラーシーズンでは、キャリアで2番目にいい打率.256を残して5本塁打、43打点だった。
球団OBでもある評論家の池田親興氏「まだ2桁の本塁打を打つ力がある。守りの点では、球界ナンバーワンでしょう」という。
捕手が補強ポイントのチームは多いが、大型の条件を提示できるのは巨人くらいしかないだろう。つまりこの2人に関してはチーム残留の可能性も十分に考えられる。
池田氏も「移籍と残留の可能性が50‐50くらいでは」と見ている。
一方で人気が集まりそうなのが、金銭、人的補償とも不要のCランクの阪神の原口とソフトバンクの石川だ。原口は推定年俸3100万円で、石川は推定年俸1億2000万円だが、高額選手が揃うソフトバンクの中ではCランクとなっている。
原口は一塁手だが、いざとなれば捕手もできるので第3の捕手をベンチに入れる必要がなくなる。今季は主に代打で52試合に出場して打率.241、2本塁打、9打点だったが、5月16日の中日戦では「4番・一塁」でスタメン抜擢されて本塁打を含む4打点の活躍を見せている。原口は、まだ代打に甘んじる考えはなく、レギュラー争いができるチームへの移籍を希望している。大山同様、西武、楽天、オリックス、広島、巨人などが候補で、ピッタリとあてはまるのは、今季最下位から浮上できず、監督交代となった西武だろう。過去にはトレードで榎田が移籍し、現役ドラフトで陽川が指名されるなど阪神との縁もある。
また今季は後半にローテを守り、15試合に登板して7勝2敗、防御率2.56の成績を残した石川にもオファーが殺到すると見られる。2020年に11勝3敗で最多勝と最高勝率の2冠に輝き、2021年には開幕投手を務めている。投手に厚みを持たせたいのは、どのチームも同じだが、先発の補強が急務のオリックス、ヤクルト、横浜DeNAらは喉から手が出るほど欲しいだろう。またCランクの選手に関しては、獲得人数に制限がないため、巨人も手をあげるかもしれない。
昨年の国内FAでは、広島の西川がオリックス、オリックスの山崎福が日ハム、西武の山川がソフトバンクと3人しか動かなかった。だが、7人がFAを行使した今年は、その人数を超えて移籍が実現する可能性もある。
15日から交渉が解禁となる。
(文責・RONSPO編集部)