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元ヤクルト編成部長が選ぶトライアウトでアピールに成功した4人
元ヤクルト編成部長が選ぶトライアウトでアピールに成功した4人

戦力外の男たちを救うトライアウトは存続すべきか…参加した元楽天の清宮虎多朗が日ハムと育成契約で21年連続で合格者が出るも

 

 トライアウトは選手会の要望によって2001年からスタートした。それまでは各球団によって戦力外通告の時期がバラバラで現役続行を希望する選手がその機会を逃すケースが目立ったため、選手会がNPBと協議して、合同トライアウトの実施と、それ以前に戦力外通告を行わねばならないというルールを定めた。
 それでもトライアウトと別の独自入団テストや、秋季キャンプ参加などが各球団ごとに行われるなどしたため、2004年からはトライアウト以前の入団テストを行わないことが申し合わされている。
 つまりトライアウトの趣旨は、戦力外通告を受けた選手に他球団との再契約機会を均等に与えるもの。だが、実際には、今オフも加治屋だけでなく、横浜DeNAと契約した元阪神の岩田将貴投手、元ソフトバンクの笠谷俊介投手(育成)、オリックスと育成契約を結んだ元阪神の遠藤成内野手ら、早くから他球団に目をつけられた“戦力外”の選手はトライアウトに参加していない。トライアウトは形骸化し、一部では選手が家族や関係者を呼ぶなど、“引退セレモニー”の舞台にもなりつつある。
 だが、一方で今季から2軍にだけ新規参入したオイシックス、くふうハヤテ、メジャーリーグ、独立リーグ、台湾などのプロ野球関係者、社会人野球、クラブチームなどアマチュア野球の関係者もトライアウトのネット裏に集まり、“戦力外の男たち”が、NPB以外でのプレー続行の機会を得るきっかけにもなっている。
 昨季はくふうハヤテが元ロッテの福田秀平外野手、元横浜DeNAの田中健二朗投手ら元プロを10人、オイシックスも元阪神の高山俊外野手、元広島の薮田和樹投手ら元プロを7人獲得したが、そのほとんどがトライアウト参加組。トライアウトは新たな就活の場として機能しているという側面がある。
 またくふうハヤテの元オリックス育成の西濱勇星投手は、トライアウトからくふうハヤテ経由で今オフにヤクルトと育成契約をするなど新たなNPB復帰の形も生まれている。
 元ヤクルトの編成部長で名将として知られた故・野村克也氏の右腕としてヤクルト、阪神で長年コーチも務めた松井優典氏は、こんな意見を持つ。

 

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