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菊池雄星がエンゼルスと契約合意(写真・AP/アフロ)
菊池雄星がエンゼルスと契約合意(写真・AP/アフロ)

なぜエンゼルスは菊池雄星を3年97億円の大型契約で獲得したのか…「すぐに球団のエースになれる」とMLB公式サイト…大谷翔平が去る原因となった暗黒時代から抜け出す切り札

 アストロズからフリーエージェント(FA)になっていた菊池雄星投手(33)がエンゼルスと3年総額6300万ドル(約97億円)で契約合意に達したことが25日、明らかになった。ニューヨークポスト紙の敏腕記者のジョン・ヘイマン氏が一報を打ち、MLB公式サイトなど複数の米メディアが後追いした。エンゼルスではドジャースに移籍した大谷翔平(30)に続く6人目の日本人。今季はシーズンワーストの99敗を喫するなど、10年連続でポストシーズン進出を逃し、オフに入って積極的な補強策に動いていた。

 エンゼルスでは異例の複数年契約

 来季でメジャー7年目を迎える菊地の新天地が決まった。敏腕記者で知られるヘイマン記者が、エンゼルスとの3年6300万ドル(約97億円)の複数年契約で契約合意に達したことをスクープ。その後、MLB公式サイト、ESPNなど複数の米メディアが報じた。
 米サイト「トレードルーマーズ」によると、クオリファイング・オファーの対象外である左腕の菊池は、ドラフトの優先権利を奪われずに済むためFA市場で人気で、カブスとも交渉を行うなど、6000万ドル(約92億5000万円)を目安に争奪戦となっていたが、先発補強が急務だったエンゼルスが射止めた。
 大谷が6年間所属していたエンゼルスはオーナーのアルテ・モレノ氏の方針で故障のリスクがある投手とは、できる限り複数年契約を結ばないことで知られる。3年前にリリーフのライセル・イグレシアスと4年5800万ドル(約89億4000万円)の契約を結んで以来の大型契約で、先発陣では2年前のオフにタイラー・アンダーソンと3年3900万ドル(約60億円)で合意して以来2人目の複数年契約。今季はそのアンダーソンが10勝をマークしたが、先発陣で2桁勝利をあげたのは、彼一人だけで、しかも15敗している、次はホセ・ソリアーノの6勝7敗、グリフィン・キャニングの6勝13敗で、先発補強がテーマだったエンゼルスは、よほど菊池が欲しかったのだろう。
 菊池は、西武時代の2017年に16勝6敗、防御率1.97で、最多勝と最優秀防御率の2冠を獲得するなど、8年で通算73勝をマークし、2019年1月にポスティングにより4年5600万ドル(約86億3000万円)でマリナーズへ移籍した。
 最初の2年は結果につながらず苦労したが、2021年にオールスターに選出されるなど実力を示すとそのオフにFAで3年3600万ドル(約55億5000万円)の契約でブルージェイズへ移籍。今季は22試合に登板し、4勝9敗、防御率4.75と低迷していたが、7月のデッドライントレードでポストシーズンに向けて先発左腕を補強したかったアストロズへ移籍。移籍後は、5勝1敗、防御率2.70と見事にV字回復してチームの地区優勝に貢献した。
 MLB公式サイトによると、「アストロズに移籍して劇的に改善した理由はスライダーへの依存度が高まったこと。9月には、球種配分がフォーシームの36.6%に対してスライダーが38.9%を占めるようになり、2つの球種に相乗効果をもたらした」という。そのアストロズでの「劇的な改善」がFA市場での菊池の評価をアップさせた。

 

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