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ジュビロ磐田の主将を務める山田大記が電撃引退を発表した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
ジュビロ磐田の主将を務める山田大記が電撃引退を発表した(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

なぜジュビロ磐田の主将である山田大記は崖っぷちのJ1残留を前に電撃引退を発表したのか…「残り2試合、魂を懸けて闘いたい」のメッセージの真意

 

 11月に入ってヴィッセル神戸、ガンバ大阪、横浜F・マリノス相手に今シーズン3度目の3連敗を喫した磐田は、現時点で自動降格圏の18位にあえいでいる。
 残留圏の17位・柏レイソルとの勝ち点差は5ポイント。逆転でのJ1残留を果たすためには、30日のFC東京とのホーム最終戦、そして敵地に乗り込む12月8日のサガン鳥栖との最終節で連勝するのが絶対条件。そのうえで柏と、現時点で勝ち点6差の16位・アルビレックス新潟の結果を待つしかない。
 自力での残留がなくなった状況で引退を発表した山田は、クラブ側の発表に続いて自身のXも更新。決意と覚悟をあらためて綴っている。
「ジュビロ磐田と共にサッカー人生を歩むことができて最高に幸せでした。残り2試合、その幸せを噛み締めながら魂込めて戦います!!」
 あまりにも唐突に映った引退発表は、奇跡のJ1残留へ向けて、磐田に関わる全員を鼓舞したメッセージとも受け取れる。磐田がこれまでに喫した3度の降格すべてを経験している山田にとって、4度目は何がなんでも避けたい思いは強い。
実際、磐田のチームメイトたちも残り2試合へ臨むモチベーションを高めている。夏場にセレッソ大阪から加入したFW渡邉りょう(28)は、球団公式Xのポストを引用したうえで、自身のXへこんな思いを投稿している。
「色んな想いがあるし色んな感謝を伝えたいけど、それは今じゃなく最後奇跡の残留を起こした後大記くんに伝えられるよう、残された2試合自分達の全てを出し尽くします。諦め悪く最後の最後まで」
 後半12分から途中出場した今月1日の神戸戦で、山田はJ2を含めて磐田でリーグ戦通算300試合出場を達成。タオルマフラーやペナント、キーホルダーなどの記念グッズが受注生産の形で発売されたばかりだった。
それだけにファン・サポーターも動揺を隠せない状況だが、それでも磐田や山田のXに対して、さまざまな思いをポストしている。
「今のジュビロの象徴は間違いなくこの人。ありがとう、おつかれさま」
「いつかくるとは思ってた。でもそれはまだ先だと思ってた。言葉が出ない」
「近年は苦しいシーズンが多く、3度のJ2降格の中、チームが崩れなかったのは間違いなく山田選手のおかげです」
「ありがとうファンタジスタ」
「これからもずっと大好きです 絶対残留しましょう!」
 このタイミングで引退を発表したのは、ホームのヤマハスタジアムでの試合があと1試合という状況も関係している。磐田側は30日のFC東京戦後に、山田の引退セレモニーを実施するとあわせて発表している。もちろん試合に敗れて、J2降格が決まった状況で山田を送り出すわけにはいかない。磐田が必勝を期す理由がまたひとつ増えた。

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