皇治が「RIZIN DECADE」でメイウェザー秘蔵っ子のモートンから「逃げた」…選ばれたのは井上尚弥の元スパーリングパートナーの地域王者
大晦日の総合格闘技イベント「RIZIN DECADE」(さいたまスーパーアリーナ)の会見が3日、明治記念館で行われ、北米向けの1部の異色アンダーカードが発表された。元5階級制覇王者、フロイド・メイウェザー・ジュニア(47、米国)の秘蔵っ子のカーメル・モートン(18、米国)がスーパーバンタム級の4団体統一王者である井上尚弥(31、大橋)のスパーリングパートナーを務めたことがあるアルバート・パガラ(30、フィリピン)と3分8ラウンドのRIZINスタンディングバウトルールで判定なしのエキシビションマッチで対戦する。皇治(35、TEAM ONE)がXでモートン戦のオファーがあったことを明かしていたが、榊原信行CEOは「逃げた」と裏事情を明かした。
ボクシング界のレジェンドの次男も登場
ライアン・ガルシアvs安保瑠輝也をメインにした「RIZIN DECADE」1部のアンダーカードに異色のボクシングマッチが組まれた。
北米でPPVのライブ配信をする「FANMIO」が海外向きに用意したカード。その目玉のひとつが、榊原CEOが「むちゃくちゃ強い。将来的には。ガーボンタ・デービス以上になれる化け物」と絶賛するメイウェザーの秘蔵っ子で6戦無敗(5KO)のモートンだ。メイウェザー戦を追い求めている皇治が、Xで「何ちゃらモートンて強いん? またマルコメ軍団か なんかオファーあった。 大晦日はやらんけど。 モテてしゃーない。」とつぶやき、対戦の可能性がSNS上を沸かせたが、蓋をあけてみると対戦相手は皇治ではなかった。
2019年にノニト・ドネア(フィリピン)とのバンタム級の3団体統一戦を控えた井上尚弥の“仮想ドネア”のパートナーとして来日経験のあるパガラ。36戦35勝(24KO)1敗のキャリアを誇るオーソドックススタイルのボクサーファイターで、過去にIBFインターコンチネンタルスーパーバンタム級王座、WBO同王座を手にしており、今年6月には、IBFアジアライト級王座を2-0判定で獲得している。
榊原CEOは、このマッチメイクの裏事情をこう明かした。
「皇治に『どうなんだ?メイウェザーを追いかけたいなら、モートンとやって勝てば出てくるしかない』という話をしましたが、逃げました(笑)。受けれなかっただけ。本物は、よう受けないんです。口説いてはいません」
交渉は「やれないよね?」「やれません」という簡単なものだったという。
皇治は、2022年9月の「超RIZIN」でメイウェザーの付き人であるジジにTKO勝利し、同11月には、ドバイでメイウェザーの弟子であるジャハン・イングラム(米国)と対戦してドローに終わっているが、メイウェザー戦を実現するために関連ファイターと2試合戦ってきた。ただイングラムは、その時点で3戦しかしていなかったグリーンボーイ。モートンは、アマチュアで156勝7敗の戦績を持ち、ゴールデングローブと呼ばれる全米のアマチュア大会で18冠を成し遂げて、昨年9月にプロデビューした本物の期待のホープだ。まだ6戦しかしていないが、高い基本のスキルがあり、一発一発のパンチがパワフルで重たい。
「今回は3分3ラウンドではなく8ラウンド。それを皇治に強いるのも無謀で、なかなか言えない。これまでの流れなら無理やり口説いていたが、今回は無理しなかった」
榊原CEOが“逃げた”皇治の袖を放したのは、それほどモートンがやばいボクサーだという証拠だろう。
パガラも皇治に負けずとも劣らぬタフなファイター。井上のスパー相手を務めた当時は、WBO世界スーパーバンタム級の2位にランクされていた。プレスのかけ方や、左の上下の散らし方なども、ドネアに似ていて、モートンも苦労しそうなマッチメイクだ。この試合は、63.5キロ契約の判定無しのエキシビションマッチとして行われる。榊原CEOは、師匠であるメイウェザーの来場の可能性も示唆した。それはそれでまた騒がしそうだ。