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稲本潤一が今季限りの引退を発表した(写真・アフロスポーツ)
稲本潤一が今季限りの引退を発表した(写真・アフロスポーツ)

ひとつの時代の終焉…稲本潤一の現役引退で2002年日韓共催W杯&2006年ドイツW杯を経験した「黄金世代」全員がスパイク脱ぐ

 

 もっとも1年目の2022シーズンは2試合、続く2023シーズンは6試合の出場に終わり、南葛も関東リーグ1部からひとつ上のJFLへ昇格できない。川崎前監督の風間八宏氏(63)を新指揮官に迎えた今シーズンは公式戦出場がゼロに終わった状況が、自身のポリシーとは対極に位置すると考えるようになったのだろう。
 南葛の公式HP上で発表したメッセージでは、こんな言葉を綴っている。
「南葛SCという素晴らしいクラブでキャリアの最後を迎えることができることを、大変誇りに思っています。この3シーズンでJFL昇格を果たせなかったことは、心残りであり、ファンや関係者の皆様には申し訳ない気持ちもあります」
 ボランチを主戦場に、2010年の南アフリカ大会まで続けて3度のW杯に出場。初めて臨んだ2002年日韓共催大会では、ベルギー代表とのグループステージ初戦、ロシア代表との第2戦でともにゴール。日本が出場した7大会で2試合連続得点をマークした唯一の選手となるとともに、ロシア戦では日本の歴史的な初勝利に貢献した稲本の引退で、代表の歴史にもひとつの時代の終焉が刻まれる。
 フィリップ・トルシエ監督のもとで史上初のベスト16進出を果たした日韓共催大会、ジーコ監督に率いられるもグループステージ敗退を喫したドイツ大会に出場した計35人の日本代表メンバー全員が、稲本を最後に現役へ別れを告げたからだ。
 直近では昨シーズン限りで、1998年フランスW杯を含めて3大会連続で出場したMF小野伸二が札幌で、ドイツ大会を皮切りに南アフリカ、さらに2014年のブラジル大会に出場したMF遠藤保仁がジュビロ磐田でそれぞれ引退。1979年度生まれの「黄金世代」の盟友たちは小野が解説者を、遠藤が古巣ガンバでコーチを務めている。
 南アフリカ大会まで4大会連続で選出されたGK川口能活は磐田のコーチを、日韓共催大会代表のFW中山雅史はJ3のアスルクラロ沼津の監督を務め、2022シーズン限りで引退したドイツ、南アフリカ大会代表のMF中村俊輔は、最後の所属チームとなった横浜FCのコーチとして今シーズンのJ1昇格を支えた。
 ともに2002年大会に出場したMF森島寛晃は古巣・セレッソ大阪の代表取締役社長を、FW西澤明訓は日本サッカー協会(JFA)登録仲介人として代理人業を行っている。さらに「黄金時代」の盟友である中田浩二はこの10月に、古巣・鹿島アントラーズの強化責任者となるフットボールダイレクターの要職に就いた。

 

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