JBC&JPBAボクシング界がRIZIN大晦日のライアン・ガルシアら現役ボクサーが大挙出場のエキシを問題視…「誤解を生むボクシングの類似イベントは看過できない」
「プロボクシングは、選手の健康管理、安全性、公平性を重視してライセンス制度などの厳格なルールを作り、それを統括するJBCという組織があり、協会など、各団体と協力して運営し、競技スポーツとして成立、発展させてきた伝統と歴史があるものです。今回のイベントに我々は一切関与していません。ボクシングに類似したイベントが行われることを我々としては看過できません。健康管理や安全性への懸念もあります。ボクシングはキャンバスのリングの上で行われますが、MMAをメインとしたRIZINのリングもまた違ったものです。明らかな非ボクシングイベントですが、ファンの方々からすれば、これも同じボクシングだと誤解を生みます。これ以上、放置すると今後非ボクシングイベントが常套化することも危惧されます。なんらかの抗議アクションを起こすことを検討、協議しています」
法的な措置も検討されているが、独禁法との兼ね合いもあり、イベントを差し止めすることは難しい。ただパガラが所属するフィリピン国内の統括組織とは関係があるため、今回のRIZIN出場に関してどんな手続きを経ているかなどの問い合わせは行いたいという。最終的にはJBCとJPBAの共同声明などの発表に留まる可能性はあるが、プロボクシング界として看過しない方針を固めた。
2019年の6月にも一度JBCとJPBAが共同で非ボクシングイベントに警告を発する声明を発表したことがある。この時は前年の大晦日にメイウェザー対天心が行われ、6月にAbemaTVの「1000万円企画」で、天心対元3階級王者、亀田興毅のボクシングルールによるスペシャルマッチが企画されるなど”非ボクシングイベント”が問題となっていた。
その時の共同声明は、ボクシングを「最古のオリンピック種目の一つであり、また他の単なるショービジネス的競技とは一線を画して、長い歴史の中でスポーツとして認知されてきたプロ競技」と定義し、「近時『ボクシング』『ボクシングルール』などの名の下、商業性のみを追求する一方、安全性を軽視し、公平・公正とは言い難い運営をするイベント、企画等(「非ボクシングイベント等」)が散見される。これらは競技スポーツとしてのボクシングに長年にわたり寄与し、発展させてきた我々各団体の努力を踏みにじるものであり看過できない」と糾弾した。
現在ボクシング人気が急上昇している。