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王座奪回に失敗した五輪連覇のロベイシ・ラミレス(資料写真・松尾/アフロスポーツ)
王座奪回に失敗した五輪連覇のロベイシ・ラミレス(資料写真・松尾/アフロスポーツ)

「井上尚弥の歴史を終わらせる」はずの五輪連覇ラミレスがWBO世界戦でまさかの6R棄権負けで「自分が終わる」も「肘打ちの反則で目が見えなくなった」と猛抗議

 

5ラウンドまでの採点はラミレスがリードしていた(トップランクボクシングのXより)

 5ラウンドまでの採点は「48―47」が2人、「46―49」が1人でラミレスがリードしていた。身長1m85のエスピノサとは、大きな身長、リーチ差があったが、再戦に向けてラミレスは、しっかりと対策を練っていた。
 ステップワークを使ってエスピノサの左ジャブを空回りさせ、逆に素早くサイドに動いて、左のボディを打ち込む。3ラウンドには、右の打ち終わりに、左ストレートが顎を捉えた。続いて右フックも浴びせロベイシが主導権を握った。だが、4ラウンドの接近戦の中で王者の左肘が、ラミレスの右目を何度か襲い、5ラウンドには、明らかな左のエルボー攻撃を受けてラミレスは思わず目をつぶって痛がった。そこから、ラミレスの動きはおかしくなった。「ダブルビジョン」と呼ばれるモノが二重に見える現象が起きたのだろう。ガードを固めて下がり防戦一方。スロー映像を見直すと、2ラウンドにも至近距離での打ち合いの中で、エスピノサの左肘がラミレスの右目に入っている。
 ラミレスが言う。
「自分を守らねばならない。健康な状態でリングを降りるためには試合を止めなければならなかった。何度も肘打ちが来て防ぐことができなかった。今から病院へいく」
 ラミレスはただちに病院で検査を受けたが右目の眼窩底骨折だった。眼窩底骨折を負うほどのパンチの被弾はなかった。
 一方のエスピノサは、「ちゃんと右のストレートを当てただけさ。オレのプレッシャーに耐えきれなかったんだろう。オレの試合の流れだったから、勝てないと思って止めたんだろう」と悪びれずに胸を張った。
 今後については「オレはレジェンドになる。誰とでも戦う」と語り、井上の名前は出さなかったが、減量が厳しいため、スーパーフェザー級への転級が有力視されている。
 米メディアも、この“肘打ち疑惑”を取り上げているが、ラミレスの抗議に肯定的な見解と否定的な見解に分かれている。
 CBSスポーツは、「試合の大半で、エスピノサは打ち合いになった時に明確に肘を入れていた。それは反則だったにもかかわらず、エスピノサは攻撃をやめず、より多くのパンチも放ったが、ラミレスはクリーンなカウンターショットをつなげ、背の高いライバルのインサイドに入り込んだ」と、左肘の反則攻撃があったとの見解を示した。
 一方、スポーティングニュースは、「エスピノサには肘を近づける癖があるが、この試合では、暴力的な反則というまでの兆候はなかった。それだけにこの結末は全く予想外」との見方をしている。
 だが、映像を見返す限り、故意か、偶然かは別にして、複数回、エスピノサが左肘をラミレスの右目にぶつけている。それが原因で目に異常をきたして試合ができなくなったのだから問題行為だろう。
 米専門サイト「ボクシングニュース24」は、ラミレスが引退の危機に瀕したとも記しているが、陣営がWBOに提訴する可能性は十分に考えられ、もしかすると3度目の対戦がセットされるかもしれない。

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