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2024年の現役ドラフト結果
2024年の現役ドラフト結果

現役ドラフトに第2の大竹、細川、水谷はいたのか…ノムさん右腕の元ヤクルト編成部長が“成功球団”と“疑問の人選球団”を独自診断…「阪神、巨人、西武、日ハムの指名に大化け可能性」

 

 そして今回の現役のドラフトの特徴として松井氏は、左腕が1人もいない代わりに右の変則右腕が2人もリストアップされたことに注目した。中日が楽天から獲得した伊藤茉央と、広島が現役ドラフトで初となる2巡指名で日ハムから獲得した鈴木健矢の2人だ。「どこのチームも左腕が欲しいから左腕を出せず、チーム事情で右の変則に落ち着いたのかもしれない。セ・リーグでは横浜DeNAの中川颯が中継ぎで結果を出すなど右のサイドハンドに需要がある。この2人は、ワンポイント起用でチーム貢献する可能性がある」と松井氏は注目した。
 また阪神の浜地真澄も大化けの可能性がある中継ぎ右腕。ストレートに力があり、今季は、18試合で防御率2.11の成績を残したが、ムラがあり、勝負のかかった夏以降は、中継ぎ層の厚い阪神では1軍で出番が回ってこなかった。
「横浜DeNAは、データを駆使して選手を評価しているため、上茶谷、ウェンデルケンの穴埋めを浜地に期待したのだろう」と松井氏は見ている。
 また「広島がオリックスから山足を獲得したのは、内野の守備固めも含めた控えの補充。これも目的をもった現役ドラフトだったのでは」と松井氏の見解。
 一方で松井氏は「厳しい言い方だが、楽天が指名したヤクルトの柴田、ロッテが指名した中日の石垣は、ここ数年の状況を見る限り疑問の残る人選に見える。投手に苦しんだヤクルト、打線が打てなかった中日でも出番のなかった選手。ブレイクの条件である“チーム事情で出場機会を得られなかった”という選手ではない」とバッサリ。制度上、リストの中から誰かを指名せねばならないのだが、今回の楽天、ロッテの人選には疑問を投げかけた。
 ヤクルトの柴田大地は、今季わずか1試合登板で、中日の石垣雅海も昨季は打率が0割台。今季も9試合出場で打率.200と低迷した。
 最後に、小早川毅彦や、遠山奨志らを再生させた野村監督の “再生工場”を間近で見てきた松井氏が、こう力説した。
「野村さんは、ヒントを与えて多くの選手を再生させたが、ダイエーから阪神にきて結果を出せなかった佐々木誠のように再生に失敗した選手も少なくない。何が違ったかと言えば、切羽詰まった危機感を持って野球に対峙できたかどうかという点。大事なのは本人の気持ち。今回の現役ドラフトで移動した13人が新天地で成功するかどうかも本人の気持ちの持ち方にかかっている」
 13人の現役ドラフトの男たちの2024年シーズンの行方に注目したい。
(文責・RONSPO編集部)

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