カブス鈴木誠也のアストロズへのトレード移籍話が急浮上も「実現性が低い」理由とは?
カブスの鈴木誠也(30)のアストロズへのトレード話が急浮上してきた。米スポーツサイト「ジ・アスレチック」が11日(日本時間12日)、複数の情報筋の話としてアストロズが外野手のカイル・タッカー(27)を交換要員に鈴木と遊撃手のアイザック・パレデス(25)の獲得を狙っていると報じた。ただカブスは鈴木を手放すつもりはなく契約には「トレード拒否権」が盛り込まれているためトレード移籍の可能性は低いという。
契約にトレード拒否権あり
「SUZUKI」の名前は、今オフのストーブリーグの中で幾度となく登場しているが、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」が、複数の情報筋の話として、「アストロズがトレードで狙っているターゲットだ」と報じた。
アストロズは、来季FAとなり「今季が年俸調停の最終年で1500万ドル(約22億9000万円)以上を得ると考えられている」タッカーを交換要員にカブスに鈴木とパレデスとの1対2とトレードを打診してきた。
タッカーはオールスター3度出場の外野手で、昨季は打点王にも輝いた左のスラッガー。昨年のWBCの米国代表にも選ばれた。今季も打率.289、23本塁打、49打点の成績を残し、2022年にはゴールデングラブ賞を獲得した守備力もある。
同サイトによると「2020年にレギュラーを獲得して以来、(勝利貢献指数の)WARを20.9まで積み上げ、その数字は、外野手では、ファン・ソト、アーロン・ジャッジ、ムーキー・ベッツに次いで4番目だ」という。
来季オフに大型契約で、チームを出ていく可能性が高いため、今年のうちにタッカーで商売をしておきたいという魂胆。
「アストロズは次の2シーズンで3800万ドル(約58億円)となる鈴木をライトのタッカーの代わりとして望んでいる」
鈴木は今季、打率.283、21本塁打、73打点、OPS.848の数字を残した。年俸のバランス的にもタッカーの代役に鈴木を指名するのも当然かもしれない。
加えてFAの三塁手アレックス・ブレグマンに球団史上最高額となる6年総額約1億5600万ドル(約238億円)を提示して再契約交渉を続けているが、やり手の代理人のスコット・ボラス氏は、2億ドル(約305億円)以上を求めており、「アストロズの鈴木とパレデスへの興味は、タッカーを放出し、交渉を進めているブレグマンを失ったとしても優勝争いをするチームの戦力をキープしたいというチームの意向を示唆している」という。
パレデスはブレグマンが退団した場合の代役。たとえブレグマンが残留してもパレデスは一塁に回ることができる。
ただ同サイトは鈴木の放出には否定的な見解を示した。
「鈴木はアストロズの手が届かないかもしれない」としリーグ情報筋の1人は、「カブスが、鈴木をトレードに出すことは全くなさそうで、一塁手で外野手のコディ・ベリンジャーを別のトレードで取引きしたがっているようだ」と証言したという。
2026年まで契約がある鈴木には、トレード拒否権があり「鈴木にはトレード拒否条項があり、このトレードを成立させるためには彼の承認が必要となる」とした。
さらに「この話し合いは流動的で、両球団は、様々な名前を交換し合っている。27歳のタッカーを出す条件として若手の有望選手が含まれる可能性が高そうだ。2024年のドラフトでカブスから1巡目指名を受けた三塁手のキャム・スミスもアストロズが興味を示すもう一人の選手となっている」との情報を伝えた。
果たして、ダラスで開催中のウィンターミーテング中にアストロズが仕掛けているトレード話がどう進展するのだろうか。