「なぜリスクのある人事をあえてやる必要があるのか」J1福岡の金明輝氏監督就任会見は異例の質疑殺到80分…反発した一部サポーターの理解は得られたのか？

　しかし、福岡は正式発表された今月13日まで具体的な動きに関して沈黙を貫き、その間には水面下でスポンサー企業を中心に理解を求め続けた。その過程でSNS上とはまったく異なる反応を目の当たりにしたと川森会長は言う。
「今回の件に限らず、匿名性が高いツールであるSNSはどうしてもネガティブな意見が目立ちますし、私自身が実際に対面してきたファン・サポーター、そしてスポンサーの反応はだいぶ違ったものがありました。もちろんSNS上の意見も真摯に受け止めて、クラブとして表明する機会をもうけさせていただきました」
　金氏の就任を正式発表した際に、開催の告知を失念していたと同会長が釈明した記者会見は最終的に80分近く続いた。金氏に反対を唱えていたファン・サポーターは納得したのか。SNS上では依然として賛否両論が飛び交っている。
「今、この時に支えないでどうするの？」
「そろそろ選手編成など、サッカーの話がしたいです」
「全ての責任はクラブが背負う。これでなぜ反対派は納得いかないのか？」
「なんでリスクある人事をあえてやる必要があるのかってことだよ」
「なぜこの人じゃなきゃいけなかったのか、 なーんにも分からなかった」
　今シーズンの福岡の平均観客数は9698人と、20チーム中で最下位だった。森川会長は「感動と勝ちにこだわるサッカーを、ちょっと見にいってみようか、という動きにつながれば」と、福岡のファン・サポーター以外にも広く知れわたった今回の騒動がさまざまな注目を集め、観客動員増に結びつく可能性に言及することも忘れなかった。