巨人の菅野智之がオリオールズと1年1300万ドル(約20億円)で契約に合意(写真・黒田史夫)
なぜオリオールズは35歳の菅野智之を1年20億円で獲得したのか…切迫したチーム事情と四球率2.6%を誇る制球力の評価
その菅野の存在がローテーションの強化が急務のオリオールズのチーム事情にピタリとあてはまった。今季オリオールズはア・リーグの東地区で、91勝71敗の結果を残してヤンキースに次いで2位となり、2年連続のプレーオフ進出を果たした。だが、ワイルドカードシリーズでロイヤルズに敗れ、その先に進めなかった。
チーム防御率3.94は、ア・リーグ15球団中8番目の数字で、15勝9敗の成績を残したエースのコービー・バーンズがFAでチームを出ていくことが濃厚で先発陣の強化がチームの課題だった。
前出の「トレード・ルーマーズ」は「菅野を獲得後もさらに先発投手陣の補強は続けなければならない。ローテーションの強化がボルチモアにとって最大の問題点であることに変わりはない」と伝えている。
同サイトによると、菅野は、今季10勝9敗、防御率3.59のザック・エフリン、13勝4敗で防御率3.86のグレイソン・ロドリゲスの両右腕に次ぐローテーションの3番手として期待されているという。MLB公式サイトは、エフリン、ロドリゲス、8勝10敗、防御率4.10の右腕ディーン・クレマーに次ぐ4番目と予想している。
いずれにしろ3年連続となるポストシーズン進出と1983年以来遠ざかっているワールドシリーズ優勝のための切り札の一人としての期待が菅野には寄せられている。35歳の菅野は夢に見てきた憧れの舞台でどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
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