まるで交換トレード?ソフトバンクは巨人にFA移籍した甲斐拓也の人的補償でプロテクトを外れる可能性の高い小林誠司を指名すべきか?
代わって正捕手に座る筆頭候補は、2019年のドラフト2位(東海大)の海野隆司だ。今季は大関友久、大津亮介の先発時の限定捕手として38試合に先発マスクをかぶり、51試合に出場したが、打撃成績は、打率.173、2本塁打、10打点に留まった。2番手が、2015年のドラフト3位(豊橋中央高)の谷川原健太。打撃が自慢の攻撃型捕手で。今季ファームではチーム最多の65試合で捕手を務めたが、1軍では3試合の先発出場に留まっている。
また2022年オフに横浜DeNAからFAで移籍した攻撃型捕手として嶺井博希がいるが、今季捕手としては3試合に途中出場したのみ。守備への不安は残る。
前出の評論家は、「巨人の大城、中日の木下がFAで残っているなら獲得に乗り出しただろうが、2人とも先に残留が決まっていた。残ったメンバーのままなら海野を主軸にせざるを得ないのだろうが、かなりの懸念が残る」と見ている。
甲斐の入団で出番が減るはずの巨人の大城卓三が、早々と残留を決断。また中日の木下拓哉も甲斐の決断が出る前に残留を決めた。
ただその中で捕手の補強の可能性がひとつ残っている。巨人の28人の人的補償のプロテクトから小林が外れる公算が高いのだ。小林は、今季菅野の専属捕手としてエースが登板した24試合を含む36試合に先発マスクをかぶった。その菅野のオリオールズへの移籍が決まったことと、甲斐の入団で小林が28人のプロテクトから外れる可能性は高い。
小林の今季の盗塁阻止率は.222と下がったが、強肩は健在で、阿部監督はフレーミングやブロッキング技術を含む守備力を信頼し、昨季は21試合出場に留まっていた小林の経験と守備力を買い、菅野の“女房”としての復活舞台を作った。41試合で、打率.152、1本塁打、8打点と打撃に改善は見られなかったが、犠打を7つ決めるなど7、8番打者として最低限の役割は果たした。
前出の評論家もソフトバンクは人的補償に小林を指名すべきだと主張する。
「甲斐が抜けたことで高い守備力を持つ捕手がいなくなった。たとえ打てなくとも小林の経験と守備力は魅力でしょう。トレードみたいなものだが、最大の補強ポイントが捕手になったのだから、もしプロテクトがされていなければ迷わず人的補償で指名すべき」
巨人の捕手には、23歳の山瀬慎之介がいるが、まだ経験不足。彼もプロテクトを外れていたとしても、2025年の戦いを見据えるのであれば小林だろう。
果たしてソフトバンクは“甲斐ショック”を払拭するために人的補償でどんな選択をするのだろうか。