「ドラフト1位がことごとくいなくなっていますけど……」横浜DeNAの山崎康晃が電撃トレードでソフトバンク移籍の濵口遥大から連絡を受けて伝えたメッセージとは?
ブルペンをけん引する立場になって久しい山﨑は、ともに阪神から加入した変則左腕・岩田将貴(26)、右腕の浜地真澄(26)の名前をあげながらこう語る。
「それでも、岩田君や浜地君といった新しいメンバーもいますし、みんながひとつになって同じ方向を向いて頑張る、という大切さを今年の日本シリーズで僕は教えてもらったと思っているので。また違った色になると思いますけど、同じ方向を向いて束になるところはこれまでも変わらないし、そこに全身全霊をぶつけていきたいし、同時に僕自身も一生懸命頑張りたい。いまはそういう思いです」
授業が体育館においてユニフォーム姿で楽しみながら体を動かす5時限目から、スーツに着替えたうえで、児童たちと将来の夢を語り合う授業に移った6時限目。自由に質問を募るコーナーで「好きなお菓子はなんですか」と声があがった。
山﨑は「お菓子、大好きなんですよ」と笑い、ポテトチップスやチョコレート、グミなどをあげながら「でも、いまは禁止している。減量期なんですよ」と笑った。
3シーズンぶりにクローザーを奪回し、最終的に37セーブをあげるとともに自己最高の防御率1.33をマークした2022年。復活劇をさかのぼっていくと、母校・帝京高の大先輩、石橋貴明さんから言い渡された“お菓子禁止令”に行き着く。
太りやすい体質をわかっているからこそ、山﨑は自ら“お菓子断ち”を決意。10年間のプロキャリアで自己最少の38試合の登板に終わり、3勝5敗4セーブ、防御率3.35に甘んじた2024シーズンからの巻き返しを期している。
「見違えるような姿で、2月1日のキャンプに初日合流する。これを本気で目指しているし、オフにお菓子を我慢しているのも、いずれは素晴らしい景色を見るためだと僕自身、強く誓っている。そこは有言実行でいきたいと思っています」
例年は神奈川県内で行う自主トレを、今年は「沖縄へ行って、宮古島へ行って、横浜に帰ってきて調整する、という感じですね」と根本から変える。
キャンプ初日までの減量幅や、来シーズンの数字的な目標は「こういう場では絶対に言わないと、自分のなかで決めている」と封印した山﨑は、授業中で児童たちに明かした自身の短期的な夢として、セ・リーグ優勝からの連続日本一獲得を掲げた。
「そのためにも、ブルペンに関してはこれまでと変わらずに、同じ役回りをやらなきゃいけない。先頭を切ってブルペンを動かしていくというか、舵を切っていく部分に関しては自分の役割だなと思っているので、チームをいい方向に導いていきたい」
来シーズンが6年契約の3年目。年齢的にも“生涯・横浜”を誓っている山﨑は、来年6月に敵地で組まれているソフトバンクとのセ・パ交流戦、そしてポストシーズンでの濵口との再会を楽しみにしながら、まずはオフの節制と減量に励んでいく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)