「井上尚弥の何が凄いって…距離感と迷いのなさ」井岡一翔が大晦日決戦6日前のクリスマス夜に異例の1時間インスタライブで5階級制覇など“禁断の話題”について語り尽くす
「5階級に挑戦するなら誰とでも戦いたい…(しかし)誰とやりたいと考えたことはない。武居選手はキックボクシングから転向して世界チャンピオンになった。(比嘉)大吾も戦った。凄いと思う。誰と戦いたい、5階級を狙う感覚まではない。(ただ)挑戦するときは、誰とやっても盛り上がるとは思うな。日本人対決やし」
妻は「5階級面白いね」と煽ったが、「面白い?」と返して、まず今回のマルティネス戦だと、それ以上この話題を展開しなかった。
胸のどこかに5階級制覇に挑戦する夢は秘めているが、それが具体的な目標としては、まだイメージ化していないというのが、井岡の現在の心境なのだろう。
そして妻は「もし井上尚弥と戦ったらどう戦う?」という禁断の質問を投げかけた。
井岡は「ええ?そんなむずかしい質問する?」と戸惑い、「どう戦う?」としばらく熟考した後に、こうアンサーを返した。
「どう戦うというより、自分のボクシング、ペースをとりにいくため、距離を支配する展開にしなければいけないが、(井上の)何が凄いって距離感が凄い。踏み込める振り幅もあるし、相手との距離感がめちゃうまい。強いパンチも当たるし、ディフェンスもできる」
そう井上の強さの理由を距離感に結び付けて絶賛した。
井岡は、距離の攻防で、重要なことが「心理戦」であることをさらに詳しく説明した上で、こう続けた。
「距離感を身につけるのは、実戦、試合で結果を積み重ねていくこと。井上選手は、子供の頃からアンダー15とか(の大会に出て経験を)積み重ねている。子供感覚で、鬼ごっこや、タッチゲームの感覚で身につけた時間が凄い。センスある選手が努力をしたら、もっと凄くなる」と称賛しドジャースの大谷翔平を例に出した。
「井上選手のパワーも凄いが、自分のパワーを出すのは勇気がいる。野球で次はストレートかな、変化球かなと、勘ぐればパフォーマンスは鈍る。だが(井上選手は)迷いなくできるのが凄い。相手がカウンターを打ってくるかもしれないが、この距離なら外せるとか、自分に自信を持って勇気を持ってできるから、踏み込める。いつも100で打てる。相手がなくてシャドー(ボクシング)なら強く打てるものだけどね」
井上の迷いのない確信のボクシングを高く評価した。これは世界でトップレベルのスキルを持つ井岡でなければ分析できない井上評だろう。
これまでも、井岡は井上を認め、何度かリスペクトの思いを口にしたことはあるが、ここまで語り尽くしたのは初めてだった。
約1時間のクリスマスの夜のインスタライブを井岡は「必ずチャンピオンに返り咲くので楽しみして下さい」という言葉で締めくくった。
今回のインスタライブは非常に面白かった。ファンの反響も大きかった。
妻は、最後に試合までにもう一度インスタライブを敢行することを求めたが、「できへんやろ」と井岡は苦笑いしていた。
次は大晦日のリングからファンに感動を届ける番だ。