井岡一翔が大晦日にリベンジ戦を挑むWBA王者が熱発で公開練習ドタキャンも「平熱37度」の大嘘?!…異変を聞かされた元4階級制覇王者は「ああ、そうですか」と一切動じず
プロボクシングの元4階級制覇王者の井岡一翔(35、志成)とダイレクトリマッチ(31日・大田区総合体育館)で対戦するWBA世界スーパーフライ級王者のフェルナンド・マルティネス(33、アルゼンチン)が26日、熱発のため都内の志成ジムで行われる予定だった公開練習をキャンセルした。代わりに会見に出たロドリゴ・カラブレッセ・マネジャー兼トレーナー(50)が謝罪し「微熱」を強調。世界戦が中止となる可能性も完全否定したが、決戦5日前に起きた異常事態が王者のパフォーマンスになんらかの影響を与える可能性がある。
28度のマイアミから7度の東京…寒暖差の影響
チャンピオンは公開練習に現れなかった。
代わりに志成ジムのリング内に置かれたイスに座り事情を説明したのが、マネージャー兼トレーナーのカラブレッセ氏。
「気温26度から28度もあるマイアミのトロピカルな気候から日本に来たが、さすがに寒かった。寒さをしのごうとしたが影響を受けた。微熱がある。今は熱が上がらないように療養中だ。今日練習に来れずに申し訳ない」
マルティネスは気温が28度にもなる米国フロリダからロス経由で20日に来日した。東京の気温は、7度前後。3日前には、東京タワー近くの増上寺の境内でランニングや階段跳びなどのトレーニングをしている風景をインスタにアップしていたが、寒暖差にやられて体調を崩したという。できるだけホテル内から出ず、移動時間なども短縮、ビタミンCを取るなどの防寒対策はしていたそうだが、想像以上に日本の寒さが肉体に響いたのか。カラブレッセ氏自身も咳をしていた。
井岡陣営には、この日の午前10時にキャンセルの連絡があった。
カラブレッセ氏の説明によると、マルティネスの体温は37.8度。「ほんとに微熱も微熱、私達が面倒をみるので、試合への影響はまったくない。今日は(ホテルからジムに)移動させることの気温の変化を避けたかった」と、ことのほか「微熱」を強調した。この日の公開練習はカラブレッセ氏らスタッフが止めたという。
カラブレッセ氏は「平熱は37度だ」とも付け加えた。
もともと、それくらい体温が高いのであれば、確かに微熱だ。
しかし7月7日に両国国技館で行われた井岡とマルティネスの前戦の前日計量時の予備検診のデータを引っ張り出すと、体温は36.3度だった。
「平熱37度」は大嘘だった。
井岡陣営の関係者は、「もともと彼らはラテン系でおおざっぱ。数字なんかはいい加減」と証言するが、もし意識的に嘘をついていたのであれば、微熱どころか高熱の部類に入る。
懸念されるのは、減量への影響と、最悪、試合が中止になること。都内ではインフルエンザも流行している。カラブレッセ氏は、「パーフェクトな準備をしてきたので、もうとくに練習をやることはない。減量もパーフェクト」と、すでにスーパーフライ級のリミットである52.16キロに残り2キロであることを明かし、中止の可能性についても「必ず試合はできる」と強く否定した。
今回は、IBFから指令された同級3位ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)との指名試合が、かなりの低額のファイトマネーだったため拒否してベルトを返上。好条件の井岡とのダイレクトリマッチに飛びついた。マルティネス陣営としては、ぜひとも、この試合を成立させたいとの意向がある。
カラブレッセ氏は、公開練習をドタキャンしたマルティネスに代わり、井岡を返り討ちにするための戦略の一部も明かした。
「それを話せば井岡に伝えるだろう?」と、ジョークを飛ばした上で、本当か、フェイクか、見分けがつかないような発言をした。
「前回のように前に出て打撃戦をするかどうかはわからない。井岡次第で戦い方は変わるだろう。前回のように1ラウンドからアグレッシブにいくことはしない。相手の出方を待って、カウンターを狙うなど、ゆっくりの立ち上がりになる」
3-0判定勝利した前戦では1ラウンドからラッシュをかけて井岡を焦らせた。